「はい、便利屋の苗字です!」
「あ、もしもし、
「はい、仕事はもう終わってて、今ちょうど
タイミングが良すぎてちょっと怖いです、とは言わないでおいた。
「そっか!さっそく話を聞きたいところだけど、今日はもう疲れたでしょ?明日また九十九の事務所で話そう。本当なら送って行きたいところだけど、俺もちょっと用事があってさ」
「わかりました。…大丈夫です!ありがとうございます」
「そういえば、今日はちゃんと平常心でやれた?」
ちょうど口に出そうとした話題を、八神さんが振って来る。
「そんな訳ないじゃないですか!二人とも本来の目的忘れちゃって大変だったんですよ?
私がそういうと、八神さんは笑いながらこう言った。
「まあまあ。悪かったって。杉浦がどうしても行くって聞かなくてさ。何はともあれ、あいつのことよろしく頼むよ」
何か含みがある言い方だが、真意は分からない。
「…?まあ、皆さんとはこれからも仲良くしていきたいとは思ってますよ…?」
「…なるほど。これは時間がかかりそうだな。」
「はい?」
「いや、なんでもないよ!じゃあ、また明日」
はい、と言って私は電話を切った。今やってる用事が長引きそうって意味だったのかな?と、考えながら私は帰路についた。
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翌日、私は八神さんとの約束通りに横浜九十九課に顔を出していた。私はさっそく、長谷川店長から聞き出した情報を皆に共有した。それを受けて、海藤さんが言う。
「なるほどな…。
「そうですね…。ただ、店長から聞いた感じだと、川村は事件当日も閉店間際まで店にいたらしいので、やっぱり犯行は不可能ですね…」
私がそういうと、八神さんが口を開いた。
「川村本人が言ってた通りだな…」
八神さんは私がキャバ嬢になっている間、川村本人からアリバイについて話を聞いていたそうだ。私を店に送った後、川村の自宅前で張り込みを始め、夜になってようやく川村は帰ってきたらしい。
「うーん…一旦情報を整理しようか」
そう言って、八神さんは状況整理を始めた。
今回の事件の被告人は
広田真一からは合鍵について知っているような発言はなかった。おそらく、広田明美が秘密裏に作ったものと思われる。そして、近所の住民により部屋に出入りする目撃証言があったことから、合鍵を唯一持っていた人物は川村
「…気になるね、その親心会ってやつ」
整理された情報を聞き、杉浦くんが発言した。
「お膳立てっていうぐらいだから、深い関係があるんだろうけど…知り合いでもいるのかな?」
私がそう言うと、
「なるほど…。では、我輩はその親心会に川村の知り合いがいないか調べてみましょ」
「ああ、頼むよ九十九。俺たちも親心会について調査してみる」
八神さん達は事務所を立ち去ろうとする。
「あの、私は何をしたら…?」
事件の詳細を聞いている以上、これで依頼完了とするわけにはいかないと思い、私は八神さんに尋ねた。
「ああ、苗字さんにはまた追々協力してもらうかもしれないけど、今のところは大丈夫かな。とりあえず杉浦と時間潰しておいてよ」
「は、はあ…」
「じゃ!」と言って八神さん達は事務所から出て行った。