「じゃあ、どこ行く?」
杉浦くんはノリノリだが、私は心配で口を出す。
「どこ行くって…調査は大丈夫なの?」
「九十九くんは優秀だから大丈〜夫。それに、名前さんもう忘れちゃったの?」
「何を?」
「も〜、デートの話!昨日話したばっかりじゃない」
あれは演技じゃなかったのか。「とりあえず、外行こ!」と言って杉浦くんは私の手を引いた。九十九くんはニコニコしながら私たちを見送っていた。
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「じゃ、そろそろ昼も過ぎてるし、まずはご飯でも行く?」
「そ、そうだね」
確かに直前まで難しい話をしていたのでお腹は空いている。私は杉浦くんに促されるまま、近くの喫茶店へ足を踏み入れた。落ち着いた内装をしており、休憩するにはいい雰囲気だ。ちょうど良く窓際の席が空いたため、私たちはそこに座ることにした。
「良い雰囲気のお店だね」
「でしょ?事務所も近いし、結構来るんだよね。はいこれ、メニュー表ね」
スッと渡されたそれには、美味しそうなメニューが並んでいた。中でも一際目を引いたのは、当店のおすすめと書かれた欄にあったスペシャルパンケーキだ。生クリームとベリーが大量にトッピングされておりとても魅力的だ。しかし、値段が900円もする…。それなら、同じおすすめで300円安いストロベリーパフェの方が良いんじゃないか…?でも昼食にパフェってどうなんだ…?
悶々と考えていると、メニュー表越しに杉浦くんと目があった。
「ふふ…悩んでるね?」
「あ!ごめん、すぐ決めるから!」
「いーよ、焦らなくて。ねえ、なにで悩んでるか当ててあげよっか?」
「え?」
「ストロベリーパフェと、スペシャルパンケーキでしょ」
なんで分かったんだ。そんなに顔に出てたか?私がびっくりしていると、杉浦くんは笑いながらこう言った。
「その顔はアタリ、だね。だって名前さん、メニュー表でずっと同じところばっかり見てるんだもん!どっちのメニューも目立つおんなじ位置に書いてあるし、甘い物だから名前さんは気になるだろうな〜って」
くっ…。無駄なところで探偵の推理力を使わないでほしい。
「せっかくだしさ、自分の食べたい方選びなよ」
確かに、普段あまり外食はしないが…。
「うーん。…じゃあ、…スペシャルパンケーキと、モカで」
写真集の件といい、誘惑に負けてばっかりだな自分。まあいい、キャバ嬢の件でお店からお金も貰えるし、たまには奮発しよう。節約は明日以降の自分に任せる。
「おっけー!」
すみませーん、と杉浦くんが店員さんに声をかける。彼はナポリタンと食後にクリームラテを注文していた。クリームラテとか頼むんだ…。可愛いな。
料理が来るのを待っていると、杉浦くんが質問してきた。
「そういえば、例の
「ああ!それね…もうそろそろ九十九くんの所に届くらしいんだけど、まだ届いてないらしくって、多分夕方ごろになるって」
「ふう〜ん、…にしてもびっくりしたな〜。あんなに渋ってた名前さんが、急に目の色変えてオッケーしてくれたんだもん」
「あ、あはは…それは大変お恥ずかしい…」
推しを命の源にしている枯れた女としては、これ以上返す言葉がない。