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取り敢えず、私は電話の様子を伺いながら、杉浦すぎうらくんの提案通りにユッターで情報収集をすることにした。

「もしもし、九十九つくもくん?何か進展あった?」

(「杉浦氏〜!見つけましたぞ、白猫のフユちゃんを!」)

「お、早いね!」

(「なあ〜に、我輩の手にかかれば朝飯前ですぞ!」)

「それで?フユちゃんは今どこにいるの?」

(「浜北公園の西側、喫茶ワゴン浜におりますぞ。店員と思しき男性に餌付けされておりまする」)

「了解!すぐ向かうよ。ありがと!」

杉浦くんのにこにことした様子から察するに、どうやら事態は好転したらしい。

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「本当に…本当にありがとうございます!!」

フユちゃんが見つかったという連絡を受けて、私は真っ先に優子ゆうこに電話した。
その後、喫茶ワゴン浜にて合流し無事に優子とフユちゃんは再会を果たしたのである。
フユちゃんは家を脱走した後、走り回って浜北公園にたどり着いたらしい。
優子はフユちゃんを抱き上げながら、杉浦くんにお礼を言った。

「気にしないでいいよ!見つかって良かったね」

「店員さんもありがとうございます…!お手数をおかけしました…」

「いいんですよ!しばらくの間、看板猫やってくれてましたから!とっても人気だったんですよ!」

私はその様子を微笑ましく見ていた。
その後、私たちは喫茶ワゴン浜を去り、優子の自宅に着くと彼女は不意に焦った様子でこう言った。

「杉浦さん…でしたよね?お代をお支払いしないと…!」

すると、杉浦くんは優子にこう言った。

「いいよ、お代なんて!優子さんの喜んだ姿が見られて十分!」

「そんな…でも…!」

引き下がらない様子の優子に、私は見かねて言った。

「優子、気持ちは分かるけど本人がそう言ってるんだから、ご厚意に甘えないと」

「名前…。でも、名前はどうするの?お金ないと厳しいでしょ?」

優子のこの発言で、杉浦くんから一気に不審な目を向けられた。

「ちょっと…!探偵さんがタダでいいって言ってるのに、親友の私が貰うわけないでしょ?
それに、杉浦さんはまだ知らないから、変に誤解されるしやめてよ…!」

このままだと、”親友”と言いつつ、何かある度にお金をせびる最低な奴に見られかねない。

「え〜っと…つまりどういうこと?」

戸惑いを浮かべながら、杉浦くんが尋ねてきた。

「あ〜…実は私、ここら辺で便利屋やってるの。優子と、その旦那さんの雅人さんに協力して売り込んでもらってから、細々とやってる感じ。」

「へえ〜!苗字さんって便利屋だったんだ!」

「そうなんですよ〜!美人だけど腕っ節も強くて、この間なんか異人町のゴロツキ達の喧嘩を制裁しちゃったんです!」

ここぞとばかりに優子が私の売り込みをかける。

「ゴロツキの喧嘩を?ほんとに?」

「優子…!…あのときは、向こうも喧嘩でボロボロだったし、たまたま運が良かっただけだよ。あと、美人じゃないし」

「そんなことないよ!名前が本当に強いのだって、雅人から聞いて知ってるんだから!」

男性を目の前にした状態でそういうことを言うのはやめてほしい。

「そんなに強いんだ…。でも、女性なんだから、あんまり無理しちゃだめだよ?」

今の話を聞いても、彼は私のことを女性扱いしてくれるらしい。

「優子さんの言う通り、苗字さんは美人さんだし、顔に傷でも出来たら大変でしょ?」

この男イケメンなだけではなく、人たらしときたか。不意なことに少し喜んでいる自分が憎い。

「ゴロツキの件は、滅多にある依頼じゃないから大丈夫だよ」

「そう?でも、ヤバくなったらいつでも呼んでね。僕もこう見えて、結構できるから」

最後の方にニヤッと笑いながら杉浦くんは言った。うむ、プライスレス。

「じゃあ、無事に優子さんは家に着いたことだし、僕は帰ろうかな!苗字さんの家はこの近く?」

「うん、すぐそこだから大丈夫」

「おっけー!じゃあ、今後も宜しくね。便利屋の苗字名前さん!」
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