吉子ちゃんは仕事ができる



嵐山くんと准くんのツーショット写真は、私達3人のグループLINEのアイコンに設定されている。ちなみにグループ名は「准くんを着飾り隊」だ。実質、田尾隊だと思う。私もノリノリでトナカイ貢いでるので隊員ではあるが、やはり筆頭は田尾吉子ちゃんなのだ。

「クリスマスなんだけどさ」
「うん?」

そんな着飾り隊メンバーでお昼を食べている時に、隊長・吉子ちゃんが提案した。

「准くんのSNS撮影用って事でケーキの許可出ました」
「えっ!?」
「仕事早くない!?」

さすが隊長!というか前々から『ケーキ囲みたいよね、准くんと』とは言っていたものの実現するとは正直思っていなかった。24日の退勤時に准くんに「メリークリスマス!」って言いながら抱きつきそうだな…と2人を見てはいたけど、まさか本気で動いていたなんて。吉子ちゃんには驚かされるばかりだ。

「今日根付さんに撮影用ですって言ってね、打診したの。アイシングクッキーも付いた小さいロールケーキでタワー作って飾るやつなんだけど…小さいのは6千円ちょいくらいであるんだよね」
「へ〜!」
「吉子ちゃん、流石すぎるよ!!」
「エッヘヘ、もっと褒めて!」
「あれちょっと待って、撮影用ってつまり経費で落ちるの…?」
「まぁ…あまり高いのはやめなさいよって言われたけど。値段伝え済みだしオッケーだと思う。後でまた申請作るけど」
「吉子ちゃん!!最高!!!」

ちなみに第一候補のケーキこれなんだけど、とスマホの画面を見せられる。かわいい、色とりどりのロールケーキタワーだ。ホワイト×ピンクのストライプ、抹茶色×白の水玉とか、柄まで種類がある。サンプル画像ではさらに苺などのフルーツと『Happy birthday!』と書かれたアイシングクッキーが飾られていた。華やかで楽しいし、めちゃくちゃ良い。これは4段くらい?ロールケーキ、何個で出来てるんだろう。今、心から吉子ちゃんを尊敬している。センスが良い…。

「これクッキーに好きなメッセージ入れられるの?」
「そうなの!メリークリスマス、は決定としてby嵐山って入れていいかどうかはちょっと嵐山くんに許可取らないとなってなってるとこ…」
「そう、そうだよね…」
「恥ずかしいななんか…」

先日の嵐山くんご本人登場事件を思い出し、静かに沈黙が流れる。嵐山くん、下手したら年上の私よりしっかりしたいい子だから、こう年甲斐のない遊びがバレると余計に恥ずかしくなる…。話題を変えよう、そうだ、ていうか嵐山隊はクリスマスボーダーに来るんだろうか?

「嵐山くん達ってクリスマスはボーダー来ないの?ツーショット撮影出来たらいいよね」
「ほんとだ!!確認しなきゃ、てか嵐山隊みんな来ないかな、ケーキ余るんだよね」
「これ何個あるの?」
「一番小さいので24とか26とか」
「多いな!?」

クリスマスがどんどん楽しみになる。いや、でもどうだろう。もし嵐山隊がみんな来るとしたら木虎ちゃんや綾辻ちゃんもいるんだよね。

「木虎ちゃんとかに呆れられそう…」
「あぁっ、呆れそう…!」
「もうしょうがないよ!根付さんにも呆れられてるもん私達!」

諦めよう!と力強くガッツポーズをする吉子ちゃん。嵐山くんにはちゃんと凹むくせに。私は木虎ちゃんのようなしっかり者タイプからの呆れには弱いのだ。ごめんなさいという気持ちが勝つ。

「佐鳥くんは自分も人形作って可愛がって!って言ってくれないかな…」
「めぐみちゃんの願望ってか希望じゃん」

ウケる、と言いながら先日の迅くんを思い出した。「ここにいる迅くんを可愛がってくれない?」って。いつもの軽口なんだけど可愛かったな。可愛がらせてくれないところ含めて。ああいうの、サラッと出てくるからずるいんだよな〜。




20181218

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