女子中等部の子供先生、ことネギ・スプリングフィールド先生に成り行きで魔法を習うことになってしまった私とクリス君は、ここ数日ほど毎日ふたりでネギ先生に(時には何故か女子中等部のエヴァンジェリンちゃん)に魔法を教えてもらう日々を過ごしていた。
そして今日も魔法の授業がある予定なのだが――、
「……いたい」
「春音、大丈夫?」
私はベッドに沈み、ずきずきと鈍い痛みを発する体をもて余している真っ最中だった。
少しだけ申し訳なさそうな顔をしたクリス君が腰を撫でてくれているものの、あまり効果は無い。今の私を例えるなら瀕死状態である。
「う、うごけない、ずきずきする……」
勢いに任せて起きようとするものの、下腹部の鈍痛がそれを許してくれない。
うぐぐ、と呻きながら枕に頭を沈める。そもそも、何故こんなに体が痛みと倦怠感に覆われてるのかと言うと――それは私とクリス君が恋人≠セからとしか言いようがない。……つまりそういうことである。
元々身体能力が高くて体力のある彼と、貧弱な私の体力はそれはもう大きく差があった。この時点ではまだなんとかなっていたのだが、悲しいかな、魔法を習い始めて、クリス君の体力が益々増してきたのだ。
そんな彼に貧弱な私がついていけるわけもなく、頑張ったもののあえなく撃沈したわけで――そして冒頭に戻るわけなのだが。
つまり私は、体力切れで起き上がれないほど弱っていた。つらい。
よしよしと言いながら撫でてくれているクリス君は見事にピンピンしていて、しかも上半身裸なせいか色気が大変なことになっている。前≠フ記憶を引き継いでるとはいえ、中学生にあるまじき色気である。
毎晩のように見ている私ですらドキドキしてしまうほど――いや、私はいつでもクリス君にドキドキしてるから意味無いか。とにかく、今の彼はお年頃の女の子には大変刺激的なのだ。
「なんでクリス君そんなに体力あるの……ずるい……」
「ずるい、って言われてもなあ……こればっかりはどうしようもないよ」
くそう、と痛む体を労りつつ、ごろんとうつ伏せから仰向けになる。さて、そろそろ時間的にヤバいというのは分かってるのだが……。
「なんて言い訳しようかなあ……」
「僕がちゃんと言っておくよ?」
気遣ってくれてるのだろう、クリス君がそう進言してくれるものの――今の彼はちょっとえっちだからなんだか不安である。ギリギリまで考えることにしよう。
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