赤髪の娘

#名前#・メサイア
美人な母と母子ふたりで暮らしていた15歳の少女(原作開始時点)
母の死により生まれ育った町を出て、母の遺品である「軌跡」が書かれたノートを頼りに一人旅をしている。深みのある赤髪が特徴的な将来有望な少女。本人は自身を「平凡」と称するがンな訳がない。服装は主にワンピースに上着、サンダルと軽装。
後に赤髪のシャンクスと出会い、彼が父親だと知ることになるが本人は母親から一切父親について知らされていなかったので困惑する。



 大好きな母が死んだ。
 華奢でとても繊細そうに見える風貌ながら、ときに男のような豪胆さを持ち合わせてた母。いつも明るく、子持ちでもいいと求婚してきた男たちをことごとく轟沈させ、「愛してるよ」と言っては私に何度もキスをするのが好きだった。
 死ぬなんて思ってもいなかった。でも、母は自分の死期を悟っていたようだった。

「お母さん、たぶん明日の朝には死んでいると思うの。#名前#ちゃんは遺言ノート見て動けばいいから何も心配しなくていいのよ」

 夕飯の時間、いつもどおりの笑顔で母はそう宣い、言葉通り亡くなった。
 私は呆然とするしかなかった。そんなことってあるか? 嘘はやめてと怒ったけれど、お母さんはその言葉を撤回しなかった。それが事実だったからだ。母はこんな嘘をつく人じゃないと分かっていた私はわんわん泣いて、最期の夜を久しぶりに一緒に眠った。

「大丈夫よ。あなたは一人じゃない。ずっとずうっと、お母さんの心はあなたと一緒にいるからね」

 眠りに落ちる前に聞こえた最期の言葉は、愛しているという、変わらぬ愛の言葉だった。



「……あなたが、私の……?」

 ひどく困惑した様子で少女は何度かシャンクスと己の隣に立つバギーを交互に見る。そしてバギーの袖を引き、少女は「おじさま」と控えめな声で言う。

「あの方の言ってることって本当なの?」
「……一ミリもお前ェとは似てねぇが、マジだろうなぁ」
「そうなんだ……」

 さらりと風に深みのある赤髪が靡く。シャンクスの髪よりも黒みがかり深みのある赤は、かつてふらりと姿を消した彼女の母親の黒髪とよく似ていた。

「私、ママからお父さんについて聞かされたことがなくって」
「えっ」
「昔、写真をこっそり見ようとしたら次の日にママが笑顔で昔の写真全部燃やしちゃったんだよね」
「あん時の顔、いまだに悪夢に出てくるぜ。ありゃあ一ミリも父親のこと話す気無かったんだろうなァ、いい笑顔してやがったぜあの女」

「おっ、お頭ァー!」
「駄目だ息してねェ! バギーテメェなんつーこと言いやがる!」
「うっせえ事実じゃ!」


 #名前#・メサイアの母は、かつて傾国と称されるほどの美しさを秘めた女だった。
 血筋は不明であるが、かつてあったとされる島の出身とされ、偶然拾われたロジャー海賊団にて見習いクルーとして働き、シャンクス・バギーとは既知の仲だった。
 彼女はロジャー海賊団解散後しばらく各地を渡り歩き、二十歳頃にシャンクスと再会した。その時から住居を定めるようになり、一般人として平穏に暮らす彼女の元へシャンクスは足繁く通ったという。
 しかし彼女は二十二歳の頃、姿を消した。

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