「君は瞳に月があるのだな。」
紫水晶の中に薄っすら金色の輪が浮かんでいる事に初めて気付いた。まるで三日月のようだ。よくよく見ると不思議な綺麗な色である。
名前もにこりと微笑んだ。
「きょじゅろ、も、めに、おひさまが、いるね。」
辿々しく紡がれる言葉に杏寿郎は目を丸くする。大きく開かれた瞳はそのままこぼれ落ちてしまうのではないかという程だ。
「君、今、喋ったか?」
指摘されて、あ、と喉に手をやる。
「こ、え、でてる?」
再び震える小さな鈴の音に、杏寿郎は名前を抱き寄せた。突然の事に名前は目を白黒させる。
「よかったな!名前!!」
よかった、よかったと自身の事のように喜ぶ杏寿郎に名前も破顔する。ぎゅうと抱きしめている体を抱き返す。
「わた、しは、きょじゅろが、よろ、こんで、くれて、うれし、い」
とくん、と心臓が変に脈打つのを感じて杏寿郎は首を傾げた。
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ちなみにイメージは三日月宗近。