温かくて大きくて、刀を握るから掌が少し硬くなった武骨な手が好き。そしてその手で頭を撫でて貰うのが大好き。

頭上から微笑む声が聞こえる。

「まるで猫だな、君は。」

穏やかな春の日差し。眠たくなるような気温に煉獄の膝枕を楽しんでいる。

「だって気持ちいいですもん、煉獄さんの手。」
「それは光栄だな!」

さらさらと指通りのいい細い髪を彼の指が梳く。心地良いそれに目を閉じる。

「好きだなあ…」

頭を撫でていた手が急に止まるのに、目を擦り頭上の煉獄を見上げる。そこには頬を染める煉獄の姿。

「煉獄さん?」
「今、何と?」
「え?好きだなあって…」
「俺も好きだ!!」
「?」

ぎゅうと抱きしめられるのに暫し頭が真っ白になる。そしてはたと自身の言葉を思い返した。『彼の手が』という主語を付けてない言葉は告白そのものだ。

「ち、ちが、煉獄さん、あの」
「ん?」

はくはくと口を開けては閉じる。
柔らかい満面の笑みに、誤解ですなんて言えない。

目を細めて愛おしそうに自身を見つめる金環に顔に熱が集まる。近付く顔にまあいいかと目蓋を閉じるのは気付かずうちに自分も彼を好きになっていたからなのかと一人納得した。
前から好きだった大きな手は優しく頬を包んでいる。

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