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私は無事に、自分が借りている部屋に戻ってくることができた。ああ、ようやく一息つける。
音を立ててベッドに倒れ込む。
ベッドサイドにあるアナログ時計を見れば、もうとっくに夜中を回っていた。もしかしたらここで生活するとなると、竜崎さんとかいうめちゃくちゃ不健康そうな人に合わせた生活リズムになってしまうのかもな、と昨日のことを思いだして考えた。
私が今さっき部屋に戻ってくるときにも、彼はまだ仕事をするふうだったから、正直これからもっとキツい生活になったりしないかということがとても心配だったりする。
しかも結局私は、竜崎さんのお手伝いというなんともいろいろな意味で不安な役につかされてしまったようだし、もうなんか本当に目の前に突如現れたたくさんのこと全てが、やっていけるか不安だ。
気分転換に真夜中だけどお風呂に入るか、と自分の眠い身体に鞭を打つ。
ああ、真っ白で素敵なバスルーム。
少し息を吐いてから、今が寝る前であることを考えて、暖まりすぎて寝られないということにならないようにバスタブに湯を張るのは諦めた。
きゅっとシャワーのバルブを捻る。それから、先程の不本意にも決まってしまった竜崎さんとの話を思い出す。
”僅かなことでもいいので、知っていることがあれば教えてください。”
それが、ニュースを真剣に見てもいない私に対して課せられたお手伝いだった。
本当にそんなんで役に立つのか、という言葉が何回も私の中をぐるぐると回っている。
確かに今回に限っては、竜崎さんに何かのヒントと云えるようなことを伝えられたかもしれない。でもそれはただの偶然だ。
先程の運命やらなんやらの言葉までが頭の中で散らばっていて、上手く纏めようにも出来そうにない状態だ。
エアコンに冷えた身体といやに冷静な頭に熱いシャワーが気持ち良い。
果たして、私が役に立つのか。
こんなこと、上手くできるのか。
お湯と一緒に流れていくのが、私の不安だったらいいのに、と一瞬思ってから、思いきりシャワーに頭を突っ込んだ。
思いやり、葛藤
160120