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そう、家が徒歩1分の近所だからといっても、ごく普通な幼馴染関係だってあるんだよ。
荒北靖友
奴は幼稚園から小学校、中学校とご近所さんだからずっと一緒の学校だった。
別に嫌ってもないが、特別仲良くもない。
まぁ、そりゃ小学校の低学年くらいまではくだらない話や言い争いをしながら、仲良く帰っていたようなほほえましい時代もあった。
ただ、思春期真っ只中に入るような小学校高学年から中学で一気に遠くなった感じだ。そんな靖友くん…いや荒北を私は、あぁ思春期だよなぁと達観していた。
荒北は小学校から野球に打ち込んでて、おつかいのついでにフラッと見に行ってみたこともある。野球自体親が好きだから夏場のTVは野球中継、それでいて荒北や他のクラスのカッコいい男子がやってたから中々楽しかった気がする。
そんな荒北が中学に入って、あんなことになるとは、思わなかった。
野球部をやめ、さらに近づきにくいオーラを醸し出すようになった。なんだか昔から知っているだけ、少し胸が痛んだ。
休みがちな荒北と近所で会った際に声をかけたら
「・・・うるせぇヨ」
っと一蹴されてしまった。めんどくさい奴め。この位の言動は、日常茶飯事だから心の中で文句を言いながら、引き下がる大人の対応を行った。
そんな中学の3年間が終わり、学校見学で印象の良かった箱根学園に通うこととなった。
ギリギリ通える箱根学園に、心踊りなごら通うこと数日、あることに気付いた。
時代遅れのヤンキーが居るとの噂だ。そしてその噂の主がまさかの荒北だった。
中学の後半はめっきり会話してなかったから、荒北がここに通っているとは知らなかった。
そして奴のあたまには、中学の時には付いていなかったコッペパンが…リーゼントになっていた。
あまりの衝撃で、廊下で顔を見た瞬間噴き出してしまった。何あれなんの罰ゲームだよ。そりゃ話題にもなるよ。
そして、なんとなく荒北がこの学校に来た理由も察してしまう。
なんだかんだで幼馴染、多少気にしてしまう部分もありながら、なにも出来ない日々は続いた。
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