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週末が明けての木曜金曜の中間テストも無事に終わった。手応えはいつもと変わらずと言ったところか。
金曜のテスト終わった瞬間にミサキに新しいカフェに誘われた。もちろん開放感に溢れる私も了承した。
カフェへの道のりはどうしても、テストの答え合わせのような会話になってしまう。
可愛らしいカフェに着いて、全てが美味しそうに見えるメニュー表から選んで注文する。
テストの話も一区切りだ。ミサキとはそれから服を買いにいく計画と来週にある調理実習のことや7月の始めにある文化祭の事などを話す。
箱根学園では毎年6〜7月に文化祭が催される。去年は6月終わりだった、右も左もわからない一年だったのでバタバタとしている間に終わってしまった。今年はもっと楽しまないと損だ。
翌週
5月も最後の週だ。そしてこれから梅雨の時期だ。もう蒸し蒸しと肌にまとわりつく湿気が気持ち悪い。こんな中料理させんなよと思ったが自宅で毎日料理する人が居る為口には出せない。本当感謝してます。
そして昼食後に調理実習とか考えようよ先生。作る気にも食べる気にもならないんですけど。
とりあえず調理実習前に髪をまとめる。が湿気で少し癖がある髪が思ったようにまとまらないので気分は少し憂鬱だ。
その上忘れ物をしてしまった。なので一人で教室まで戻っていると、湿気とは無関係な髪の荒北に出会った。
髪の事を考えてたのでつい思ってたことを言った。
「相変わらずのサラサラヘアーデスね」
「あ?おめーもかわらねェだろ」
「いや、ここがちょっとどうしても跳ねるの!」
髪を弄りながら言う。そう左の耳上のうねりが私としてはどうしても気になっている。その部分を荒北が引っ張りながら言う。
「...わかんねェ」
「あぁそう」
わからないだろうね、サラサラさんには。じゃなかった忘れ物!荒北に調理実習の忘れ物取りきたこと言ったらまたマヌケなど言われそうだったのでそのまま無視して教室にはいって忘れた材料入っている手提げ袋をもって廊下に出る。
まぁ予想通り"相変わらず抜けてんね"との発言を頂いた!嬉しくない。
調理実習は一人一人ケーキだろうがクッキーだろうが火を通すのを条件に好きに調理して良いとのことだ。そりゃ火を通さないことも認めてしまったら卵かけご飯とかやりかねない奴らがいるからね。
まぁ限られた時間と調理器具と他人との譲り合いで完成させろと言うことだ。
私はこの家庭科の一つの料理するのにあたって調理法やら栄養価など調べないといけないとか非常にめんどくさいと思っている。栄養士じゃないんだから勘弁してほしい。
皆は、マフィンとかクッキーなどを計画しているらしい。男子は野菜炒め作るとか言っている。
フフ、皆材料が多いんじゃない?私はずる賢い頭は働くので細かいものは家から分量測って、混ぜて持ってきた。後はキャベツの千切りを家庭科教師が見回って来た時に披露するだけだ。マフィンやらを作ろうとしている女子達はオーブンを順番待ちしている。気になってる人に渡すとかのイベントでもあるしね調理実習って。そりゃクッキーやらを作るであろう。
「おめさん旨そうだな」
「フフ、そうでしょう」
匂いにつられてか出現した。昼食後の調理実習、好きなもの、限られた時間、出来るだけ材料は少なめにして栄養価の計算も少なく...ここからはじき出される答えはそうお好み焼きだ。この前こカフェではミサキには女子じゃないとツッコミ受けたが良いじゃないか。
一応失敗したように二枚の分量で作ったが、両方上手に焼けて、あとは家庭科教師に一口食べてもらって持って帰るだけだ。お好み焼きの上で踊るかつお節が良い感じだ。家庭科教師にも意外なものを作るなと少し笑われたけど、美味しいと好評だった。そりゃ中々不味くは作れないよこの料理。何人かの男子にはその手があったかと言われた。ほら見ろ、意外と男子に好評だぞ。
自分自身でも美味しそうで食べたけど充分美味しい、半分は新開君に食べられた。いや、まぁ美味しいなら良かったよ。
「みょうじさん、部活終わり腹減るんだ。残り一枚持ち帰るようならくれないか?」
手元のお好み焼きにバキュンポーズをしていた。いや新開君他の子にもマフィンやらもらってんじゃん。でも甘いもの食べてるとしょっぱいものも食べたくなるしね。
「冷たくなっちゃうけどいいの?」
「あぁ問題ない、腹が減ってればなんでも美味いからな」
最後の少し失礼な言葉は聞かなかったことにして、ソース付きでラップに包んであげた。
「おお、本当ありがとな」
嬉しさと感謝の伝わるような良い笑顔で言われるので、思わず少し照れてしまう。あーこれは人気出るよねこの人、改めて思い知らされた瞬間であった。
調理実習後の夜に新開君からメールが届いた。
"荒北もまぁ美味いって言ってたぜ"
勝手にやんな!そして"まぁ"とはなんだまぁとは。荒北の事だこのメニューみて絶対食い意地はってるやつと思っているに違いない。
新開君には
"新開君だけに食べて欲しかったのに"と最後ウルウルした顔文字つけて返してやった。こういう冗談が通用するから新開君は好きだ。
今週末レース出る言ってたっけ、是非お好み焼きパワーを出して欲しい。
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