突然の勧誘
「へぇ、じゃあ貴方があの火拳のエースなんだ?」
「おう、まぁな」
がやがや宴会が盛り上がる中、ラビは突如乱入してきた男、エースに興味が湧き、彼の傍にくっついていた。…が、だ。そんな二人の様子を快く思わない人が約一名。
「…おい、」
その一人とは、ローのことである。先程から食い入るように二人の様子を見つめていた。そんな中、いきなりエースに言葉を投げ掛けたのだった。
「テメーの目的は何だ?火拳屋」
「この船への目的はねぇな。言ったろ?芳ばしい、賑やかな匂いにつられて来ちまったってよ」
「それを俺に信じろと?」
「穏便といこうぜ、ここは」
「…っちょ、ちょっと…!」
ローとエースの間にどこか不穏な雰囲気が流れ始める。それを嫌でも感じ取ったのは二人の間にいるラビで…どうにかしなければ、と二人に割り込んだ。
「…ろ、ロー!エースはいい人だよ…?そりゃ、いきなり宴会に乱入しちゃったけど…だけどさっ…!」
エースを庇うように立ち、発言するラビ。…そんな彼女の様子がますますローの機嫌を損ねるものだと知らずに。
「…勝手にしろ」
フン、と鼻を鳴らしローはその場から立ち去る。今すぐにでも暴れ出すのではないか…と不安を過ぎらせていたラビだったが、意外にもローがすぐに引いてくれたのでホッと息を洩らしたのだった。
「…罪な女だな〜ラビちゃんもよ」
「…?」
エースの言葉の意図がわからず首傾げるラビ。そんな彼女を横目にニヤニヤ笑いながらエースは酒を飲む手を進めた。
「それにしても…ラビちゃんは別に悪魔の実の能力者ってわけじゃなさそうだな」
「うん、そうよ。それに私海賊になりたくて海に出たわけじゃないし」
「じゃあなんでこの船に乗ったんだよ?」
「…それはね、」
"ローが海賊になるって行ったからだよ"
にっこり笑いながら、はっきりとそう告げるラビの姿はどこか愛らしく思えた。
「それに私の夢は世界一の踊り子になることだもん」
「踊り子?」
「うん!あ、踊るだけじゃないよ?ちゃんと歌も歌えるんだから!」
自慢げに話すラビにエースは、へぇ〜…と興味深げに頷いた。
「あ、そうだ!せっかくエースと出会った記念に一曲歌ってあげる!」
「おぉ、そいつァ面白ェな!歌ってみてくれよ」
宴会の場ということもあって、盛り上がってる中歌ったりするのも珍しくない。
パッとその場に立ち上がり、エースの方へ振り向くとラビはふんわり微笑みながらそっと口を開いた。
彼女の口から聴こえてきたのは…綺麗な歌声だった。
ビンクスの酒を届けにゆくよ
海風 気まかせ 波まかせ
潮の向こうで 夕日も騒ぐ
空にゃ 輪をかく鳥の唄
さよなら港 つむぎの里よ
ドンと一丁唄お 船出の唄
金波銀波も しぶきをかえて
おれ達ゃゆくぞ 海の限り
...
「…へへっ、どうだった?エース!」
「……っあ、…あぁ…」
一瞬、ラビの歌を聞いた瞬間…違う世界へ飛ばされたかのうようだった。
あまりの綺麗な歌声に、エースは心奪われてしまった。
「これでも結構好評あるんだよ?あー気持ちよかった!」
「………」
「…?」
「おいラビ、お前…白ひげ海賊団に入らねェか?」
「……え?」
突然の勧誘
(俺ァラビが気に入った!なぁ、仲間に入れよ!)
(え、えぇ…!?)