そう、それは突然に
フランスパリ。
月がない夜
とある、富豪の屋敷に
スタイルの良い一人の女が忍び込んだ。
この富豪は、自分が貴族なのをいい事に
庶民から沢山の財産を奪っていた。
手八丁口八丁の嘘偽りが多く
大切にしていた物を
いつの間にか奪われていた…と
多くの庶民たちが口を揃えて言う。
この世界では、怪盗法という法律があり、
怪盗を捕まえるには、現行犯でなければならない
という決まりがあった。
と言うのも、警察界隈でも、富豪たちの噂は拡がっていて、そう言う富豪たちから、金品を取り返す名目で、怪盗をしている人が居ると言う事実もある。
けれど、それを見てみぬふりするには、富豪の力が大きすぎる。
事実、富豪から警察になった人や
富豪に袖の下を渡され、繋がりのあるものも居る。
そのため、完全には見逃せないと言う事で、一応“現行犯では無かったため”と言う逃げ道を作ってあるのだ。
そう、そんな悪名高い富豪のうちの1人の屋敷に、忍び込んだ、上半身がぴっちりした素材の衣服を纏い(全身タイツよりは、生地が厚めだが、体の線は分かる。)下半身は超ミニのスカート、脚はロングブーツ
顔は分からぬ様に、濃いめのメイクで、目元には仮面をしている。
富豪や警察と遭遇した時様に
ミニスカートの内側に、警棒
胸の谷間の隙間に、小型のスタンガンを仕込んでいる。
髪は、抜け落ちないように、
キツめなお団子ヘアにしてある。
彼女は、華麗に富豪の家に入り込み、依頼品を盗む。
さあ、そっと出ようと思ったら
運悪く、警備隊に遭遇。
「何をしている!」
警備隊に声を上げられた。
「何って…依頼があったものを取り返しただけよ。」
そう言って、警備隊の動きを交わし
ひらりと、頭上を飛び越した。
アクロバットな動きに、一度目を奪われたが、すぐに我にかえり
「怪盗だ!捕まえろー!」
そう叫ばれてしまう。
怪盗デビューの日に捕まる訳には行かないのよ!
2階の窓から、近くに生えている巨大な木に飛び移る。
そうして、そのまま、屋敷から、脱出した。
その姿を、偶然居たパパラッチに撮られる。
この世界では、怪盗のファンも居て、応援する人もいるから、怪盗が出た時の新聞はかなり売れる。
「ブラン、ちゃんと、獲物は手に入れたわよ。」
胸元に光るネックレス型の通信機に話し掛けると、
「姉さん、何も無かった?」
そう聞かれ
「予定に無かった、警備隊に見つかったけど、逃げ出せたから。今から帰るわ。」
「OK、シャワーの準備しておくね」
「助かるわ。やっぱり私の弟は、頼りになるわね」
「もちろんだよ。なんたって僕は、姉さんの騎士だからね」
「うふふ、そうね。騎士様」
誰にも見られていない事を確認して、自宅兼カフェに入る。
「おかえり、姉さん」
真っ白い騎士の格好をした、弟
アランに招かれる。
「ただいま。」
頼まれていた物を、胸元から出してテーブルの上に置く。
「姉さん…何処に隠してるんだよ…目のやり場に困るだろ」
「あら、だって、大きなものじゃないし、失くしたら大変だと思って。」
取り出したものは、少しふるびた指輪。(ケース付き)
「依頼人が女で良かったよ。もし、それが男の手に渡るものなら、その男と全面戦争になる所だった」
「あら、どうして?」
「たとえ指輪とはいえ、姉さんの柔肌に守られた物…渡して貯まるか!って事だよ」
「あら、でも、これは、依頼人の物よ?」
「そういう意味じゃなくて」
アランは、頭を抱える。
「変なアラン。…これ、依頼人の所に届けて来てもらえる?私はシャワー浴びちゃうから」
「仰せのままに、お姫様」
アランは、指輪を手に、夜の街へ駆け出す。
そうして、その指輪を依頼人の家に届けに行く。
怪盗、ブランとして。
お姫様こと、今日デビューしたばかりの女怪盗、プリムラ(と言っても名乗ってないけど)こと、このカフェの女主人
リコリスは、怪盗服を脱ぎ捨て、シャワーを浴びる。
怪盗姿の時のメイクや香水を洗い流す為に。
メリハリのある肉体
整った顔立ち、そして、明るく優しいハッキリとした性格で、このカフェに来るお客さん達に好かれていた(主に男)
弟のアランも、キレイな顔立ちをしてる為、お客さん達に囲まれる事が多い(主に女)
ただ、この弟、かなりのシスコンである。
と言っても、両親同士の再婚で出来た、義姉弟だけど。
ちなみに、両親は今、どこに居るか謎である。
その為、1階はカフェ、2階は住居と言う広いこの家にふたり暮らしである。
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