怪盗に警察に記者までも
夜が明け、朝が来る。
新聞がポストに入る音がする頃
リコリスは、カフェの準備を始める。
料理は、基本手が込まない物は
注文を受けてから作るので、テーブルや椅子を拭いたり、床をモップがけしたり、
窓はアランが掃除をしている。
手が込む料理は、昨日、怪盗として活躍する前に、下準備をしていた為、後は焼くだけ煮込むだけにしてある。
アランが、掃除を終わらせ、新聞を手に、カフェの中に入ってくる。
新聞の一面に、
『美しき怪盗現る』
と言う文字が見えた。
「あら、早いわね。」
「いつの間に撮られたの」
「盗み終えてからね。」
「こんなに美人な怪盗が現れたとなれば、ファンが大量に増えてしまう…」
「あら、大丈夫よ。ほら、月のない夜だったから、なんとなくのシルエットしか分からないし。」
「そうだけど、どれほど美しいのか、パパラッチが…」
アランは、表の看板をオープンと変えていたせいで、
「パパラッチがどうかしたのかい?」
このカフェの常連記者のエドガー・ノートンが、入店してきていた。
「怪盗の話だよ。見た事もない女怪盗が出たとか言う…」
アランは、その写真を見せないように、新聞を片付ける。
「ああ、結構話題になっているね。スタイルが抜群だから、ファンになりそうだとか言う話を此処に来るまでの間にも聞いたよ」
「へぇ」
苛立ちをあらわにするアランに、首を傾げるエドガー。
「もしや、君もファンになったのかい?アラン」
「え?いや、そうじゃなくて…」
「ああ、君も怪盗はどうあっても憎むべき派だったか」
「うーん?それも違うと言うか…」
「所で、お客さん、ご注文は?」
「今日は、コーヒーだけで…」
エドガーは、女性が苦手なのか、リコリスから目をそらす。
「分かりました。少々お待ち下さい」
そう言って、コーヒーを淹れる。
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