まさかこんな朝イチにリヴァイと会えるなんて、と──は今日だけでも何度目か分からぬほど顔を破綻させた。
ベルトをいつもよりほんの少しだけきつく締めて、髪の毛だってどうせすぐに崩れてしまうだろうが、念入りにクシをとかしてきた。
いつもは早起きすればボーッとする頭を必死に動かそうとするわけだが、今日はそんな事せずとも起きた時からはっきりと動いてくれていた。
楽しみ故に1時間前より早めに外に出てしまったが早朝に外に出るものなんて数少なく、周りを見渡してもまだ誰も見ていない。
殺風景な景色が広がる中、いつもの茶色い兵団服が1人近づいているのを見つけた。
「リヴァイ兵長、!」
リヴァイを迎えるだなんて、今まで何度もあったが、この環境は初めてで新鮮である。
「おはようございます、引き受けてくれて本当にありがとうございます、がんばります!」
「ああ。俺が直々教えるんだ、上手くなって貰わなきゃ困る」
「もちろんです!」
あのリヴァイから訓練をしてもらえるだなんて、調査兵団の人に言えばきっと全員から羨ましがられるのではないか、それほどリヴァイというのは羨望の眼差しで見られているのだ。
「立体機動装置の許可は貰ってきたか?」
「はい、ちゃんと書類も提出しておきました。リヴァイ兵長の──が出たらすぐ承認貰えましたよ!」
「そういえば、そいつらに随分とこの訓練のこと喋ったようだな」
「え?ああ、秘密にもしておきたかったんですけど...。ちょっと嬉しすぎて、1回話したら止まんなくなっちゃいました...」
昨日の夜に許可書を貰いにいった兵士の方に、リヴァイ兵長に教わるのだ、と胸を張っていえば羨ましがられたのを鮮明に覚えている。
申し訳なさそうに視線を落とす──にリヴァイは一つ息を吐いた。
「お前が宣伝したおかげでそいつらにも訓練してくれと頼まれた」
「え、え?!」
まさかこの2人の秘密の訓練の時間が、もっと人を増やしてしまうのか、そう考えれば──の肩は分かりやすく沈んだ。
「それで...兵長はなんて?」
そうリヴァイの顔を伺いながら問いかけた──に、「断った」とリヴァイが呟けば、──の顔は一変した。
「生憎俺は教えるのが得意じゃねェ。お前で手一杯だろうしな」
「じゃあ、とりあえず私が上達するまでは兵長は私に付きっきりってことですか?!」
興奮気味に言った──にリヴァイは、少し挑発するように鼻で笑った。
「...変な気は起こすんじゃねェぞ」
「お、おこしませんよ、っ!!」
──の顔は誰から見ても嬉しさで溢れている。
しょうがないじゃないか、好きな人と朝2人でいられる時間が作れたのだから、と開き直ってしまいたいくらいであるが、下心をしまいつつ励もうと意気込んだ。