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ああ、お酒が入った体は力が入らず、ぼおっとする頭を必死に動かそうとする。
真っ白になっている自分の頭は、お酒のせいなんかではなくて、与えられている快感からだろう。

「おい、考え事するなんていい度胸だな」

「や、ちがっ...あ、」

切れ長の目が少し熱を帯びているようで、そんな視線を浴びただけでくらくらしてしまいそうだ。

自分とは違う、少し硬い指先に、主張した乳首を撫でられる。二本の指でキツく摘まれ、グリグリと押しつぶされる。与えられる刺激に、思わず彼の名前を口にしてしまう。

「へ、いちょ…あっ、ふ」

「どうした」

「ひぁ、」

「もう限界か?」

快楽に落ちている──の顔をちらりと見てリヴァイは満足そうに口を歪めた。
胸の突起に吸い付いてきたその形の良い唇に、体の奥から熱い何かが湧き上がってくる。

胸を吸い、ザラザラした舌で突起を器用に転がされると、──の嬌声は大きくなる。


「あっ…あ、ん、」

触れられるのは先程から胸だけだ。キュンと疼く下半身を思わず擦り合わせた。

「や、へいちょ…」

「なんだ」

「…っ、あ!?やぁっ」

「どうやらこっちも触ってほしいようだな」

挑発的に細められたリヴァイの目に思わず胸がなった。
突然太ももを持たれたと思うと、脚を大きく左右に開かされる。
恥ずかしいその格好に意図せずに目頭に涙が溜まった。

そんな──を気にせずにリヴァイは両手首をひと括りにしてシーツへと縫い付けてきた。そのまま片方の手のひらが内腿をじわりじわりと、波のように寄ってくる控え目な快感に思わず目を瞑る。恥ずかしいというのに、物足りなくも思ってしまう。

「っ、ふ、っあん…!」

ショーツが抜き取られていくのを確かに感じた。するりと、いとも簡単に脚から抜けていった。
──の反応を楽しむかのようにリヴァイはつつ、と、割れ目も確認するかのようになぞられビクビクと肩を震わせる。


「あ、...っんん、ふ」

「慣らす必要もないぐらいだな」

「や、ちが、うぅ」

「どの口が言ってんだ」

リヴァイの指先に私の愛液が付いている、その事実に余計下腹部が疼いてしまった。情けないことに、ではあるけれど。溢れ出る蜜を抑える事が出来ない。

じゅぷ、とくぐもった水音を立てて入ってきたリヴァイの指に、背筋がぶるりと震える。背中を仰け反るように逸れ、震える声で彼の名前を呼ぶ。するとリヴァイは視線を私に寄せ、それからまたぐちゃぐちゃになったソコに戻した。
膣内に入った二本の指が内壁を擦るような動きでたまらない。

「あぅ、あ、ん...!ひあ」

「一気に2本入っちまったじゃねェか」

「あっひぁん….へい、ちょ、そこ...っやあ」

「ここがいいのか」

イイ所を集中的に掠められて、快感の波に襲われる。──の僅かな声の違いにリヴァイはすぐに気づき、そこばかり責められれば頭は働かない。

「あ、あ、…っんあ!?」

卑猥な水音が、──の耳に入る。リヴァイの時説緩められる口元に胸が打ち震える。


「あっん、ふ、あ、あ、っあああ!」

押し寄せた快楽が頂点になり、目の前が真っ白になる。それから直ぐに、ぐったりとした倦怠感がのしかかってきた。何もせずとも弛緩してゆく身体をベッドに任せて、大きく息を吐く。


「…おい、なに自分だけ良くなって終わりにしようとしてんだ」

「え…?っあ!や、ああっ!?」


勢い良く、リヴァイが入ってきた。結合部から響く余りにも生々しい挿入音に、心臓が震え、耳が壊れてしまいそうな気がした。

何の前触れもなく与えられた質量に膣壁は歓喜しているのか、きゅうきゅうとリヴァイを締め付けていた。律動が始まると、長くて太いソレにひだを擦られたり、子宮口を刺激されたりで頭が真っ白になった。もう、何が何だか分からない。

快感に身を任せて、リヴァイの逞しい筋肉質な身体に思わずしがみつき、意図せずとも声が上がってしまう。腰使いが激しくなるにつれ余計なにも考えられない。


「あっ、や、いいっ、いっ、ちゃう!へ、へいちょ! ひぁ、」

「おい、あんま...っしめつけんな」

「あ、っ へいちょおっ、あ、ああっ!」


──のお腹にかかった熱いそれ。目の前にあるリヴァイの胸に、思わず頬を寄せる。彼の見たことも無い、苦しそうな息遣いにどうしようもなく興奮した。同時に、私の頭部に、手の平が優しくのる。

「へへ...兵長、..好きです、ほんとにずっと前から...だいすき、」

「...俺も好きだ」

ちゅ、とリップ音が鳴ったおでこを、──は至極幸せそうに手を当てる。
そんな──にリヴァイは、静かに口を緩めてするりと頬を撫でた。

とろんとした瞼はいつのまにか、うとうとと瞬きを繰り返す。今までの疲れがドッと出て、ついに瞼が下がっていく。

「──よ、寝てもいいが…明日何も覚えてねェなんて、クソな事にならないようにしろよ」

「...ん、」

頭上から少し掠れた声が降ってくるも、この睡魔には耐えられない。ピリリとした首の痛みを感じながらも、閉じた瞼から暗闇に落ちていった。