リヴァイに送ってもらいあれから仕事をしているが、どうしてもリヴァイが外で待っている気がしてならないので仕事に集中できない。店主に頼み込みいつもよりかなり早く上がらせてもらった。
「リヴァイくん!やっぱりいた!」
急いで店の外に出れば、朝言っていた通りに店から少し離れた所でリヴァイは木箱に腰を下ろしていた。
「もう終わり?」
「うん、リヴァイくんに早く会いたくて上がらせてもらっちゃった」
帰ろっか、と優しく笑いながら足を進めるなまえに、ニヤニヤと笑う男の声が聞こえる。
「嬢ちゃんいいおんなだなぁ」
決して良い気分のする言い方ではなく、ねっとりとした視線が絡みつくようで嫌悪感からなまえは視線を下に落とした。
「・・てめェ」
そんな中殺気を放ち、その男がいる方向へ足を出したリヴァイの手を、なまえは咄嗟に掴んだ。
「!」
「リヴァイくん、私は大丈夫だから。そんな人に構ってる時間より早くお家に帰ろ」
刺激しないように小さな声で耳打ちして、掴んだリヴァイの手をそのまま軽く引っ張った。
手を振り払って殴りにいくと思っていたが、思ったよりも大人しくついてきたリヴァイに、心の中でほっと安堵した。
出来れば喧嘩しているところを見たくないし、リヴァイに怪我して欲しくはない。
大事にならなくて良かったと体に力が抜けた所で、流れのまま繋がれているリヴァイとの手になまえはどうしようと胸を騒がせた。
これはさりげなく手を外すべきかとも思ったが、このまま帰りたいなという思いから、繋がれた手にきゅっと力を込めた。
これでリヴァイに何か言われたら離そう。
そう思っていたが、リヴァイは繋がれた手をジッと少しだけ見つめたあと何も言わなかった。
帰り道のじめじめとした地下街の雰囲気になまえはふと思いついたように口を開いた。
「そういえばここって全然お花ないんだね」
「花?」
「うん、お花。でも太陽が届かないからしょうがないのかー」
「欲しいの?」
春に見える桜や、夏の向日葵、この嫌な香りのする地下にいれば恋しい思いは芽生える。
意外だと言わんばかりに見上げてくるリヴァイに、なまえは「確かに好きだけど」と口元に手を当てて数秒考えたあとに、リヴァイへと花が咲いたような明るい笑顔を向けた。
「でも今はリヴァイくんと楽しめる茶葉のほうが沢山欲しいかな」