「今まで何処に居たんだ」と、聞きづらいのか相変わらず苦しそうな表情のリヴァイを安心させるように、なまえは優しく笑いかけた。
「もうリヴァイくんに会いたいって毎日思いながら生きてたよ。たまに辛い事もあったけどもう一度会えるかもしれないって考えてた」
「・・・そうか」
明るく伝えたにも関わらずたいして変わらないリヴァイの重苦しい表情に、なまえは困ったように小さく眉を下げた。
「リヴァイくんが私の事覚えてくれててよかった」
前回会った時とは違う環境に、もしはじめましてになっていたらと怖い気持ちも少なからずあったが、その心配は一瞬で消されて本当に良かった。
「馬鹿言うな。俺がなまえを忘れた日なんて一度もなかった」
「ふふ、ほんと?それなら嬉しい」
人懐こいなまえの笑顔に、リヴァイはひどく懐かしい思い出が心を掠めた。
会いたくて堪らなかった思いを心に押し込めて、午後の訓練に出ない事、そしてこの後の事を考えエルヴィンの元へ話に行こうとリヴァイは自室の扉へと向かった。
「すぐに戻ってくる。誰が来ても何を言われようと無視でいい」
「無視でいいの?」
「兵士でも絶対にここから出るな」
何度も強く念を押すリヴァイに小さく笑った。
こんな真昼間にリヴァイの部屋に訪ねる兵士なんているのかと思いつつ、先程訓練をすっぽかす発言をしていた事を思い出し、周りからしたら自分は不審者でもあるので大人しく頷いた。
「うん、ここで待ってるね」
「・・・」
出ていく直前の扉の前で、リヴァイは一度立ち止まった。
どうかしたのかとなまえは不思議に思いながらリヴァイの様子をうかがった。
「・・一つ聞くが、お前に今すぐ帰らなくちゃいけない場所はあるか?」
質問され、ふとなまえはここにくる直前の車に轢かれるシーンを思い出し、サッと顔を白くさせた。
「・・・っ」
間違いなく轢かれていただろう自分の体は果たして無事なのだろうか、もう死んでいて戻れないのか、そう考えるとなまえは血の気が引く思いだった。
なまえのその青白く怯えた表情に、リヴァイは慌てたようになまえの近くへ急いで戻り、安心させるかのように先程より優しく抱きしめた。
「すまない嫌な事を思い出させた。俺はもう・・・絶対になまえから目を離さないと、そう約束しよう」