「じゃあお先に失礼しまーす!」
「おう、今日もありがとな。嬢ちゃん目当ての客がいっぱいいるもんで少しだけ給料もあげといたから」
「えっ・・ありがとうございます!明日も頑張ります!」
パッと心底嬉しそうに笑うなまえに、店主は「よろしくな看板娘」とバシバシと肩を叩いた。
言っていた通り、この間の時より分厚くなっている札束。
リヴァイへいつもより美味しい、お高めの茶葉でも奮発しよう。スキップできてしまう気分のまま、茶葉を求めて店を訪れた。
リヴァイの好みかどうかまだ分からないので、一箱分手にとって会計をする。
出勤する前に、リヴァイが家で待っていると言ってくれていたなあとぼんやりと思い出した。とすれば今日は珍しく喧嘩もせず穏やかに休めたのかなと考えていれば、リヴァイと早く会いたいと帰る足を早めた。
「リヴァイくん、ただいまーっ!」
バタバタと扉を開けてリヴァイを探せば、奥の椅子に座っていたリヴァイがこちらへ近付いてくれる。
この世界は携帯はもちろん無く、ゲームも遊びもなく、公園もない中子供達はなにをして過ごすのか。リヴァイに幸せになってもらうために働いてるとはいえ、寂しい気持ちにさせていないだろうかとなまえは心臓が締め付けられる気持ちになった。
「おかえり」
と出迎えてくれたリヴァイに、先程買ってきた茶葉を見せつけるようにリヴァイの顔の目の前へと差し出した。
「ちょっとだけね、いつもより高いやつ。奮発したの」
「そうなの?」
「リヴァイくんとの大事なティータイムだからね」
それとね、と大事に抱えていた小さな箱をリヴァイの前に出す。
「よく茶葉買ってくれるからっておばあちゃんがティーカップ安くしてくれたから・・買っちゃった」
へへ、と嬉しそうに笑いながら真っ白なティーカップを2つ差し出した。
「お揃い!今日からこれ一緒に使いたいな」
「ありがとう」と、小さくぽつりと呟いたリヴァイは、ティーカップを1つ手に取り両手で持ち上げた。
「・・」
「もし割れても、またすぐ新しいお揃いの買おうね」
何を思っているのか、まじまじとティーカップを見つめたままのリヴァイの頭をなまえは今朝より強めに撫でた。
「リヴァイくん、今日待っててくれてありがとう」
大事な人が部屋で待っていてくれていると考えるだけで、いつもより何倍も頑張れるんだと身に染みて感じた1日だった。
「仕事中ね、すっごく会いたかった」
「・・・・そうなんだ」
「本当に会いたかったんだよ、信じてる?」
「ッ、もう分かった、」
と顔を横にしたリヴァイは照れ隠しなのか、眉をきゅっと顰めてほんのりと頬を染めた。
そのリヴァイの反応になまえはにんまりと口角を上げた。