04.寂しさをふきとばして
「ごめんな、急にこんな事言っちまって」
そう言って話を中断させて訓練に行こうとするエルドの背中になまえを声をかけた。
「調査兵団にいる女性の中で、エルドが話しやすいって思ったり仲良い女性がいても、エルドが選ぶのは彼女でしょ?エルドにとって彼女は唯一無二なわけで、それはきっと彼女も同じ気持ちだと思うよ」
「・・・」
「エルドじゃなきゃダメだよ」
なまえのその言葉に何か気付いたのか、エルドは少しだけ目を見開いた。
「ま、まあ彼氏がいない私が言っても説得力ないかもしれないけど・・・」
ごめんね、と申し訳なさそうに言ったなまえだが、エルドは先程より幾分軽い気持ちになったのか、笑顔で「いや、ありがとな」となまえの頭をぽんと叩いた。
「おい。こんな所で喋っている時間があるのか?」
「わ、!!」
突如後ろから聞こえたリヴァイの声で驚いたなまえがびくりと肩を震わせた。
隣にいたエルドも驚いたようで、声は発さないものの目を見開いた。
「リヴァイ兵長!?もしかして訓練見に来てくれたんですか?」
「そう思うなら早くやれ、なまえよ」
「はいがんばります!ちゃんと見ててくださいね!」
そう言って腕まくりをしながらやる気を出したなまえは走り出して行った。
「エルド」
低い、威圧感のあるリヴァイの声がエルドの体をぴしりと固まらせた。
「はいッ」と、思わず右手の拳を心臓に当てた。
「あいつがガキみてえなのは分かるがお前らは距離が近え」
「は、はい・・?」
無表情のままそうエルドに注意したリヴァイに、何を注意されているのかとエルドはぽかんと口を開けた。
「ベタベタと見ているだけで暑苦しいだろうが」
「す、みません。以後気を付けます」
それは果たして他の人、例えば自分とペトラが話していてもリヴァイは注意したのだろうか。
なまえだから目に入ったのか。
もしかすると、と気持ちが先走りエルドは去っていくリヴァイの背中につい声をかけた。
「・・・・・リヴァイ兵長、もしかして」
「なんだ」
振り返り、言葉の続きを待っているリヴァイのその視線にエルドは我にかえったように首を横に振った。
「いや、なんでもないです」
すみません、と呟いたエルドにリヴァイは何も言わなかった。