07.きみを想って過ごすまいにち




掃除、洗濯、料理、お茶入れ。
なまえが積極的に腕を磨いたものである。
兵舎内で暮らしていれば料理以外は出来るはずだが、なまえは他の人とは意欲が桁違いに違った。

「なんたって紅茶の淹れ方は兵長お墨付きですからねッ!」

最初の方はリヴァイに、全然なってないと言われ凹みながら死ぬ気で紅茶を淹れるのを練習したのは懐かしい思い出だ。
初めて兵長に美味いな、と呟かれた時の嬉しさはいまでも忘れられない。兵長と一生を添い遂げるには掃除と紅茶は絶対に必須だろう。

「ほぉ〜、そう聞くといいお嫁さんになりそうだね、なまえは」

「ですよね!?えへへ、相手はもちろんリヴァイ兵長でお願いします!」

ハンジが感心したように素直に褒めれば、なまえは嬉しそうに顔をほこらばせた。

恒例になりつつあるハンジ班のお手伝いに来ていたなまえは、ハンジとの会話に花を咲かせていた。

「すみませんなまえさん、いつもいつも手伝わせてしまって」

モブリットが心底申し訳なさそうになまえに言えば、慌てたように首をふりながら否定した。

「そんな、全然大丈夫ですよ!むしろわたしの話をハンジさんに聞いてもらってるようなものなので・・・」

リヴァイとの話をここまで興味深そうに聞いてくれる人は数少ない。兵舎内だとハンジとペトラぐらいだろう。
そのハンジに甘えてリヴァイの話をついついしてしまうものの、嫌な顔1つしないハンジにはなまえは感謝していた。

「それに今日はハンジさんの部屋の片付けなので、楽勝ですよ!」

「ありがとうございます」、とモブリットは何度目かわからないお礼をなまえにして部屋をあとにした。

「あはは、本当になまえはいい子だね。リヴァイには勿体ないくらいだよ。なんならわたしのお嫁に来て欲しいくらいだ」

書類にペンを走らせながら言ったハンジになまえは少し考えた後に口を開けた。

「兵長にはまだまだ届かないほどですよ、なのでもっと頑張らなきゃいけないくらいです!」

「そうかなあ、なまえは頑張るね」

「はい。なんてったってあんなにかっこいいい兵長ですからね!日々全身全霊でアタックしなくちゃ!」

数時間前のリヴァイの姿を思い出して、なまえは密かに意気込んだ。
どうすればリヴァイに近付けるか、何度考えたことだろう。

「はは、そっか。まあリヴァイもこんなに猛烈なアタック経験したことないだろうから新鮮だろうね」

「え、そうなんですか?!」

自分が入団する前は何も知らない。リヴァイともなれば自分のようにアピールする女の人がいるだろうとなまえは考えていたのだが、ハンジの言葉にびっくりしたように口を開けた。

「そりゃあ人類最強なんて言われてあの潔癖症だもん、憧れる女の人もいるだろうけど想いを伝えようとする人は少ないだろうね」

「そうなんですか、」

「うん。だからなまえのそのアピールはなかなかいいと思うよ、私は。リヴァイも満更でもなさそうに見えるしね」

「・・・ハンジさんにそう言って貰えると、すごく自信持てます」

なまえは嬉しそうに、少し気恥しそうに目を細めた。
ハンジといえばリヴァイに続き調査兵団の古株であり、自分よりリヴァイのことを知っているだろう。そんなハンジから言われれば嬉しさは増す。

「まあ私はなまえを応援してるからね!前話してたあれ、覚えてる?どっちに賭けてるかって、もちろん"くっつく"に賭けさせてもらってるよ」

ばちんと音がつきそうなウインクをハンジから頂けばなまえは歓声をあげた。

「ほ、ほんとですかハンジさん!!わたし、本当に頑張りますよ!?応援しててくださいね、!」

もちろん、と少しおどけたように告げたハンジになまえは満足そうに、先程より丁寧に部屋の片付けを始めた。




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