01
最初はただの好奇心だった。
あのイケメンで、強くて、思いやりがあって、とんでもなく人たらしのお頭の彼女になるのはどんな人なのだろうか?
そしてどんな態度で接するのか、どんな顔で微笑んでくれるのか?
島に上陸し、島の老若男女問わず囲まれるお頭を見てはぼんやりと昔から考えていた。
あんな完璧なイケおじに戦闘で助けてもらったりすれば、このまま筋肉質な太い腕であわよくば1回‥そんな思いが膨れ上がるのは女性の本能ではないだろうか。
なーんて、そんな思いをお酒を飲んだ勢いでぽろりと溢せば、あれよあれよと盛り上がり告白の場まで用意されるのだから酔っ払い達は本当に怖い。
抵抗するも、ゲームで負けたら罰ゲームで告れなんて言われて、アルコールでぽわぽわとした頭でまさか自分がこんな大勢の中ビリになんてならないだろうと了承して、しっかりと負けるとこまでお決まり展開だ。
「おい誰かーッッ!お頭呼んでこい!」
「ちょ、ちょやめてよヤソップ!本当に冗談だってばっ‥!!」
「だーめーだッ!なまえ!海賊のゲームに二言はねぇんだぞ!」
と、口笛でも吹きそうなほどの喜びようのヤソップに、少しだけ焦りで酔いが冷めそうだ。
告白するのはいいがその後に振られたらどうしてくれるんだ。長い間仲間として同じ船に乗っていたのに。
しかもお頭から好意があるのならまだしも全くそんな感情は感じられない。
「ねえ助けてベック‥」
「悪いが俺もそれに関しちゃ賛成だな」
「むりむり!これで振られたらどうするの?!船降りることになったら!」
「それは100%ねェから安心しろ」
「それは楽しんでるだけでしょ!!」
グッと親指を立てて力説してくるヤソップに呆れていれば、どこの誰がお頭を呼んできたのか、酒瓶片手に近寄ってくるお頭は、呑気に「おう!どーしたおめぇら」とニコニコと近寄ってくる。
「なまえが酔い覚ましに風にあたりてーんだと、」
「っわ!」
「なんだなまえ珍しく飲み過ぎたのか?」
ヤソップにグッと肩を押されお頭の懐へと軽く当たりそうになる。
まさかこの後私から告白される罰ゲームが起きるだなんて、いやいや、まさかできるわけない。そんな事もつゆ知らず、何も知らないお頭が「ちょっと外歩くかァ」なんて、私を見る。
まあこのままお頭と散歩して、1時間くらいたって船に戻って「告白したけど冗談だとおもわれちゃいましたー!」とかなんとか言えば大丈夫だろうな、と気持ちを軽くお頭に外に行くと頷けば、お頭は「わかった」とぐしゃりと頭を撫でる。
「じゃー行ってくるね」と2人で仲良く足を進めれば、後ろからヤソップ達のうるさい声が響き渡る。
「なまえー!まさかダッセー真似すんじゃねェぞーッ!」
「そーだそーだ!それこそ船降りることになるぞ!」
「なんの話だ?」
「‥‥なんでもない!ちょっと色々ゲームしてただけ。それよりごめんね付き合わせちゃって‥」
「いーや、なまえのとこに話しに行こうと思ってたから丁度良かった」
あれだけ後押しされてしまえば、元はと言えば自分で了承してしまった罰ゲームなんだ、と深呼吸して覚悟を決める。
そうしてどう伝えようか、本当に大丈夫なのか、なんて不安と緊張で手に汗がたまっていきそうだ。