02

いったいどうしたものか、適当に誤魔化そうと考えてはいたが、あの皆んなのはしゃぎっぷりは確実によろしくない。
告白したかどうか、私ではなくむしろお頭に聞きに行く未来ですら想像つく。それで実は伝えてなかったなんてバレてしまったらどうなってしまうのだろうか、考えるだけでぶるりと悪寒がする。

「なまえが外歩きたくなるほど酒飲むの久しぶりじゃねェか?」

「あーー、うんたしかに。あした二日酔いなるかなぁ」

「だっはっは!そしたら俺が看病してやるよ」

「うそだ、お頭だって絶対死んでるよ」

「そうかあ?」なんて楽しそうに笑うお頭を見つめながら、緊張からぎゅっと拳を固めて足を止めた。

「どうした?歩いたらアルコール回ったか?」

急に立ち止まった私をどうしたもんかとお頭が不思議そうな顔をする。

「あの‥!お頭の、彼女になりたいです‥っ」

振り絞った声は少しだけ震えそうで、なんでこんな緊張しなくてはいけないのか。これは罰ゲームなのだから、と考えてはいるもののやはりお頭の顔は見つめられない。
はやくお頭から断る言葉を聞かせてくれ。

恐る恐る目線をお頭へとあげれば、これでもかというほど目を大きくあけ、固まっていた。
それはそうだ、私自身もお頭に好かれようと女を出した事は一度も無いし、お頭自信はなんとも思っていない仲間の女から急に告白されたのだ。
沈黙に耐えれず、「お頭‥?」と呼べばハッとした様子でぽりぽりと頬を掻いた。

「悪い。あまりにも驚きすぎて声が出なかった」

いや分かってはいたけど、告白して嬉しそうに喜ぶお頭は見れるとは思っていない、が、ほんの少しだけ悲しくなるのはこれは恋なのだろうか?
いや、まさかそんな訳ない。自分の気持ちに応えてくれない男性に対して悲しくなるなんてただの最低すぎるのでは、と自分の心にあった悲しみは心に押し殺した。

「そうだよね、でも伝えられるだけで満足だから!じゃあ、船戻ろっか?」

「‥は、?」

私の今日の仕事は終わったかのように肩の力が抜け、ふう、とため息をつき踵を返した。
ああ、でも少しだけ。自分勝手ながらお頭の特別へとなってみたかったな、と最低な考えすら思う。今まで恋愛的に意識はしていなかったが、勿論お頭は異性としての魅力が抜群にあるから。

「おい待ってくれ。言い逃げするつもりか?」

船へと帰ろうとする私の右腕を、がっしりと掴まれた。

「俺の答えも聞かないで帰ろうとするのはよくないな」

「へっ、‥?」

「今から俺の女だって事でいいんだな」