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シャンクスのただの優しさで付き合ってから、あまりにも優しく大事に接してくれるので、たまに自意識過剰に本当に私の事を好きでいてくれてるのではないか、と考えてしまう事すらある。

例えばみんなで酒場を探し求めて歩いている時も、絶対隣で歩幅を合わせながら歩いてるくれるし、階段や道が荒れていたら、「なまえ、そこ段差あるから気をつけろ」なんて一言伝えてくれるのだから。
まさかあの恋愛といった恋心などがあまりないと思っていたシャンクスが、こんなスマートにエスコートしてくれるとは最初の頃こそかなり驚いた。

今回の島はみんなで酒場で、とリクエストしたので遠くでベックやホンゴウ達と酒を浴びるように飲んでいるシャンクスを見つめたあと、下を向いてため息を吐いた。

「おいおい、えらく熱くお頭を見つめてるな」

「うっ、‥ヤソップっていつも変なとこ見てくるからきらい」

「いやーまさかこんな早くなまえが好きになるとはな」

「返す言葉もございません」

「いいのか?ここの店のウェイトレスの女の子、お頭のこと多分狙ってるぞ」

少しだけ楽しそうに声のトーンが上がっているヤソップは、きっと私が焦っている様子を見て楽しみたいのだろう。その手には乗らないぞ、と思いつつ、そんな報告が来れば焦ったように顔をあげてしまい、どんな女の子なのだろうかと探してしまうのだから重症である。

「むり。前までそんな事日常茶飯事だったのに‥今では耐えられなすぎる‥」

「だから2人で出かけて来いってみんなで言ってやったのになんで同じ酒場来てんだよ」

「だってーーー‥‥もうそろそろ別れようと思ってるから。そんな沢山思い出作りたくないもん」

「はあ?なんで好きになったのに別れんだよ」

酒を飲む手を止めて、片眉を吊り上げたヤソップは心底分からないといった顔に、「人の気も知らないで!」と、全く怖くないであろう睨みをきかせた。

「元はといえば罰ゲームで付き合ったんだよ?シャンクスは断れなくて付き合ってくれただろうから‥私が好きになっちゃったのもだめだもん」

「お前なぁ‥お頭が好きでもないやつにあんな人前でスキンシップするやつだと思ってんのか?」

「わかんないけど‥」

「お前‥‥いや、いい。一回別れたいって伝えてみろ、それがいい」

急に雑になるヤソップに「ねー雑じゃない?」と悲しんだ素振りを見せれば「お前はお頭と話し合うべきだ」と、デコピンされた。