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 昨晩のこともあり、気だるげな体にムチを打った。
今日は立体機動の実践訓練があるので朝食をきちんと食べた方がいいだろうと思い、なまえはあまり空いていないお腹を擦りながら食堂へ向かった。

いくら訓練兵時代に特訓したって、壁外調査で慣れていたって、実践訓練が必ずしも安全なことではない。
少しの判断が大怪我に繋がるケースも多々ある。

気を引き締めなくては、と朝食に着いていたスープをごくりと飲み込んだ。
しかし、そう思っていてもふと気付けば頭に浮かんでしまうのはリヴァイの顔である。それは普段の顔であったり、ベットの上での上気した顔であったり、きっと他の女の人が見たこともないような顔が思い浮かべば、なまえは優越感にすら浸ってしまっていた。


あれから何度体を重ねただろう。

あんなに駄目だと思っていたのに、いざリヴァイの前に立ち、あの鋭く熱を帯びた視線に当てられれば、ぞくりと体は震え何も考えられなくなってしまう。

好きな人に求められてしまえばしょうがないものなのか、と自分を正当化させる一方だ。

「ちょっと、なまえってば!」

ぼんやりと上の空のなまえに話しかけるものの、返事はなくペトラは少し頬を膨らませた。
そんなペトラに耳元で大きく声をかけられれば、なまえはピクリと反応を示した。

「あ、...ごめんなんだったっけ」

「だーかーら、お茶貰ってくるけどなまえもいる?」

申し訳なさそうにするなまえにペトラはあまり怒っていないのか、少し笑って持っていたティーカップを上に持ち上げた。

「わたしは大丈夫だよ!ありがとうペトラ」

「いーえ。なんか最近上の空だけど大丈夫?...相談があれば私でよければ気くけど、」

真剣な表情で眉をひそめたペトラに、なまえはほんの少し罪悪感がちくりと心に刺さった。
自分のことを心配してくれるのは本当にありがたいが、だとしても軽く言えるような相談話ではない。

「ありがとう!本当にただぼーっとしちゃっただけだよ、寝不足なのかも。今日は早く寝るよ」

訓練がんばろうね、となるべく明るく口にして席を立ち上がるなまえにペトラは完全に安心したわけではないが、いつも通りのなまえを心配そうに見つめた。



ペトラと別れた後、光があたっていないせいか、薄暗い廊下を歩けば時説ギシリと床が鳴った。

訓練の始まる少し前に行って立体機動装置の点検をしよう、と足を早く進めたところだった。

「なまえ」、そう背後で低く呟かれたなまえは驚きと恐怖から声にならない叫びを発した。


「っ、へ...兵長、!」

跳ね上がった心臓を収めるように、はあ、と息を吐いて振り向いたなまえを見てリヴァイは眉間に皺を寄せた。

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