「疲れた...」
暑く汗をかいた後の体に冷たいシャワーはなまえの密かな幸せだ。
さっぱりとした気分になり、タオルでおもむろに髪の毛を拭いていれば、両足がジンジンと痛む。
明日は浮腫みそうだ、と疲労感にため息をついた。
下着のままベットへと腰を下ろせば、もう立ちたくないくらいだ。
キツイ訓練に体がひしひしと痛むのは今に始まった事ではない。
どんなに繰り返しやってもなれることはないだろう。こんな訓練を涼しい顔してやれるのはリヴァイくらいではないか、と数時間前のリヴァイを思い出した。
いつでも凛々しいその顔を、なまえはいつも盗み見ていた。
体が全体的に重く、ベットに埋もれるかのように寝そべってしまえば、瞼がぐっと重くなる。
睡魔に負け、目を瞑ってしまえば眠気がじわじわと自分の体を蝕んでいき、いつしかなまえの意識は落ちていた。
*
"シャワーを済ましてから来い"と確かに言ったはずだが、夜が老けても一向に開かない自室の扉をリヴァイは見つめた。
「まさか寝ちまったんじゃねえだろうな」
小さく舌打ちをひとつ落とし、眠っているだろうなまえの元へ足を進めた。
もしかするとまたなまえは嫌がっているのではないか、そんな思いが微かに頭を掠めるが、だからといってこのまま自室へ戻る訳にも行かない。
少しだけ心に黒い靄を抱えてたどり着いたなまえの部屋に、ノックをするものの中からの応答はない。
「おい、なまえ開けるぞ」
ギイ、と音を立てて空いた扉の奥には、下着姿で縮こまりながら寝ているなまえの姿がリヴァイの目に写った。
「っ...」
想像もしていなかった光景に、リヴァイは思わず目を見開いた。
鍵もかけないまま、下着で寝ているなまえにリヴァイは苛立ちを隠さずに舌打ちをした。
誰か違う野郎が自分のようにドアを開けてしまったらどうするのか、そう問いかけたいものだが、当の本人は幸せそうに眠っている。
リヴァイは一瞬戸惑ったものの、迷わずになまえの寝ている横に腰を下ろした。
「おい」
リヴァイの問いかけに返事をしたのかなまえは、ん、と小さな唇を開いた。
なまえのつるりとしたその頬を、リヴァイは心做しか愛しそうに目を細めながら優しく撫でた。
なまえは無意識なのか、少し身じろいだ後に自分の頬を撫でるリヴァイの手を上から力無く握った。
重ねられた自分の手をジッと見つめたあとに、その赤い唇にリヴァイは引き寄せられるように口付けた。
ちゅ、とリップ音を鳴らして離れるものの、なまえが起きる様子は少しもない。
そんななまえに少し眉をひそめたリヴァイは、ゆっくりとなまえの体に跨った。
ギシリ、と鳴るベットを気にとめず、リヴァイは目の前にある真っ白ななまえの胸元へ口を寄せた。
真っ赤な華が咲いたと思えば、なまえの首元にも同じように赤い跡を残した。
「、ん」
つつ、とリヴァイの白い指がゆっくりとなまえの細いお腹をなぞり、腰、太ももへとリヴァイは次々に口付けた。
くすぐったさからか、なまえの口からは少しだけ声が盛れていたが、その小さい声でさえリヴァイを刺激するには十分だった。