01

いつの間にか眠ってしまったらしい。

まだ重たい瞼をゆっくりと開けば、起きろと言わんばかりの眩い日差しと磯の香りが鼻を通る。
いつもの柔らかなベットの感触はなく、どうやら船の甲板で眠っていたようだ。

昼寝なんて滅多にしないのに、どうしてこんな所で?とまだ起きかけの脳に問いかけても答えは出ない。


最後の記憶に残っているのは、シャンクスと2人で熱い夜を過ごしその腕の中で眠りに落ちたはず。

「・・夢遊病?」

なんて独り言をこぼしながら、まずは朝食を食べようと船内に入ろうと足を進めた。



「なまえ、珍しく朝早いな。昼頃まで部屋にいると思ってた」

「シャンッ・・クス?」

聞き覚えのある愛しい声は、聞き慣れてるからこそ分かるがほんの少し低い。わずかな違和感をかかえ振りむけば、見知った顔。だが、その顔は自分が知っている“シャンクス”とは違った。

あくまでも顔はシャンクスそのものだが、目元の皺、元々筋肉はあったがそれよりがっしりとしたその貫禄はなまえの知っている“シャンクス”とは別人だった。

「え・・シャンクス?」

「なまえ・・お前背低くなったか?」

それはシャンクスも同じようで、自分の知っている愛しの女ではあるが、明らかに身長が低い。元々小柄ではあったが更に華奢に見え、大きく丸々とした目は幼さを隠しきれてない。


ぽかんと口を開け見上げるなまえに、シャンクスも開いた口が塞がらなかった。

じっとお互いを見つめ、顔つきや身体をじっくり見ても感想は変わらない。

「シャンクス・・なんか、・・老けた?」

「失礼だな!俺はなんも変わっちゃいない。変わったのはお前だなまえ・・」

動揺で動けない2人を見かね、「おい何してんだ朝っぱらから。イチャつきてぇなら部屋いけ」

「おいベック!!なまえがなんか変だ!」

「!変なのはシャンクスでしょ!なんでそんなおじさんになって・・え!ベック?!・・髪染めた?!」

「はあ?」

あの真っ黒な長髪をたなびかせ戦っていた副船長は、真っ白な髪へと変わっていた。髪だけではなくシャンクスと同じく、1日では変わるはずがないほどがっしりとしたその体つきに、なまえは目を白黒させる思いだった。

「な、・・だれ・・?そっくりさん?」

もはやその変貌ぶりに、なまえは少しの恐怖からか一歩後ろに下がりながら、開いた口を隠すように口に手を当てた。

「お前こそなまえのそっくりな奴か?」

「・・おい状況が伝わらねェぞ」

ベックはまた何かやったか、とため息をこぼした。