02

「さ、さん、39歳?!?」

「おう、今年でな」

今年1大きい声を張り上げたなまえに、シャンクスは元気なのは変わらねェな、と豪快に笑った。

「だからそんなにおじさんなんだね」

「おいさっきから軽く悪口言うな」

「だって私の知ってるシャンクスは27だもん。それから10年たってるってことでしょ・・?」

よくわかんないけど、と頭をかかえたなまえにシャンクは、落ち着かせるかのようにいつもと同じくポンポンと、頭を撫でた。

「で、なまえはいまいくつだ」

「20・・になったとこ」

「!俺がお前に手出したころか」

「な!言い方・・っ!」

このデリカシーないおじさんめ!とじろりと睨みつけても、返ってくるのは明るい笑い声のみ。
歳とってもなんにも変わってないな、と少しの安心感でなまえは緊張から肩を落とした。

そんな痴話喧嘩を横目にベックは「で、こっちのなまえはどこ消えちまったんだ」

「俺が昨日抱き潰したからなァ、普通だったら昼まで寝てるはずだが。ベットには誰もいなかったな」

「ちょっ・・!」と、大きな目を見開いて固まるなまえの顔は、なんて発言をしているんだと書いてある。
なまえの知っているシャンクスは人前では甘やかしはするものの、こう簡単に夜を匂わす発言はしない。

「おーおー、ウブな反応だ。確かに若ェな」

「だっはっは!懐かしいなァなまえのその感じ」

楽しそうに笑う2人の男は、なまえの知っている2人より遥かに晒し出すその大人な余裕ともいえる落ち着いた雰囲気に、なまえは恥ずかしそうに眉を下げた。

「・・こわい」

「ん?わるい、怖がらせたか?」と、するりとその柔らかい頬を撫でるシャンクスは、悪いとは1ミリも思ってないかのように楽しそうに喉を鳴らした。

シャンクスはまるで新しい獲物を見つけたかのようなその瞳に、ベックはなまえに同情の視線をチラリと向けたまま、またため息をこぼした。

「まあ、急に入れ替わったんだ。またどっかのタイミングで入れ替わるだろ」

「そうだなァ、それまでこのなまえを堪能しとくか」

「っ!?やだ、むり」

自分だけが成長していないのに、元々男前だった顔は大人びて妙な色気すら感じる。
今ですら27歳の年上のシャンクスに散々揶揄われているというのに、絶対相手なんてできない、となまえは勢いよく首を横に振った。

「おいなんでだよ、さすがに恋人に言われりゃ傷つくぞ」

「私の恋人は!27歳のシャンクス・・ッ!」

「そりゃ俺のことだ」

「ちがう!」