04

「ちょ・・ッシャンクス!」

未来の船員達と楽しそうに話をしていれば、つつ・・と背中を撫であげられる。ぞわりと肩が揺れ、なまえの腰に手を置くシャンクスは、その反応すら喜んでいるように感じる。

「どうした?」なんてイタズラっ子のように笑う仕草に、なまえは頬を膨らませた。

「変態シャンクス」

「今更知ったのか?」

「十分知ってます!!」

昨晩は過去のあなたに何回も抱き潰されました、なんて口が裂けても言わないが。
なまえの世界のシャンクスは人前ではあまりベタベタしてこないが、2人の時にドロドロに愛されるのでむっつりか?と思っていたが・・このシャンクスはなにもかもオープンで、こっちの私大丈夫なのかと心配にもなる。

空になったグラスを見つめ、今日は飲まなきゃやってらんないと立ち上がったなまえに、可能な限り自分の隣にいて欲しいシャンクスは「おいどこ行くんだ」と引き留める。

「おかわり貰ってくる」

「すぐ戻ってこいよ!俺の所に」とほんの少しいじけたように眉を顰めたシャンクスになまえはもちろん、とへらりと笑った。

「だっはっは!独り占めしすぎだろお頭、余裕ねぇ大人は嫌われるぞ」

「いつ戻っちまうか分かんねェから堪能しとかなきゃだろ!」

ゲラゲラと笑う船員達も気にせず、シャンクスはその小さな背中をじっと目で追った。

大人びて妖艶に笑うなまえもいいが、純粋でシャンクスの言葉ひとつひとつにコロコロと表情を変える様子に、シャンクスは己の理性と必死に戦っていた。

「あ〜〜〜・・昔のなまえ・・抱きてェな」

と離れていく後ろ姿に呟けば、ベックが呆れたようにピシャリと言い放つ。

「おいさすがにロリコンだぞ」

「だよなァ。でもあれはなんかやばい、別の扉を開いちまうような気がする」

そう言ってごくりと酒を飲み干すシャンクスは帰ってきたなまえを見て嬉しそうに隣に来いと横を叩く。
周りがガキかと言いたくなるようなちょっかいをかけ、楽しんでいるその様子はまるで付き合いたてのカップルのようである。

「なあなまえそれ食べさせてくれ」

「片手で食べれるの知ってるよ」

「だめだ。1人じゃ食えねェ」

「なんで若い時より甘えん坊になってるの・・ッ!」

「そんなもんだ男なんて、ほら早くしろ」

文句を言いながらも恥ずかしそうに食べさせてあげるなまえに、シャンクスは「お礼だ」と頬にキスを落とせば、たちまち頬は赤く染まる。
人前なのに!と、ぷりぷり怒る素振りを見せても、シャンクスは「可愛いな」と愛しそうに少し目を細める。

その表情が、熱のこもった瞳で普段はベットの上で見せる表情であり、思わずなまえの心臓がどくりとなった気がした。