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どうしたものかと手に持ったトレーをかちゃかちゃと響かせ、座れそうな席を探す。
そんななまえを見かねてミーナは大きく声をかけ手を振った。
「なまえ、こっちこっち!」
「ミーナ!わ、席取っておいてくれたんだ...ありがとう!」
「もう、待ってたのになまえってば全然来ないからちょっとだけ心配しちゃったよ」
「ごめんごめん、ちょっとね」
口では怒っているものの、なまえを待っていたというミーナは、やっとのお出ましに頬を緩ませ「早く座って食べよ」と催促した。
そんなミーナの前の席へと、腰掛けるため椅子を引きトレーを置いた。やっと食べれる、となまえは1つ息を吐く。
するとミーナの隣に座っていたジャンが持っていたパンをかじりながらなまえへと声をかける。
「よおなまえ、傷の方はどうだ」
「あ、ジャン。.....なんかジャンといつも近くで食べてる気がする」
「おい。言っておくが全部たまたまだからな!今日だってお前が後にきたんだぞ」
「わかってるよ、もう!小言が多いんだから」
「誰のせいだよ!」
「まあまあ、2人とも落ち着いて」
また始まったと怒りもせずに宥めてくれるのはジャンの仲良しのマルコだ。マルコはジャンの前に座っているため、実質なまえの隣である。
ここ数日、夜ご飯は必ずと言っていいほどジャンとマルコのセットと近くなるので必然的に仲良くなった。
エレンと同じように憎まれ口も叩くし、目つき悪いし、関わりたくないと思っていた時が遠く昔に感じる。
口の悪いところがあるが根は優しいのを知っている今は、話すのが面白くて好きな友達の1人でもある。本人には絶対言わない。
普段と変わらないような質素なパンを牛乳と一緒に楽しむ。みんなはよく文句を言っているが、訓練で疲れて食欲がない時にはこのくらいの量がちょうどよかったりするのだ。パンのレパートリーはもうちょっと増やしてほしい気持ちはあるが。
パンをちぎりながら食べていれば、マルコがくすりと笑いながら話し始めた。
「なまえが食堂に来るの遅かったからジャンも心配してたよ」
「はあ!?嘘つくなよマルコ!」
「ジャン!なんだかんだ私の事好きなんだね!」
「お前も調子乗んな!」
照れ隠しなのか、少しだけ染まった頬を腕でかくしたジャンに、なまえは嬉しそうに頬を緩めた。