サブ:飴村兄妹

*Polaris より

私と乱数は二卵性の双子ではあるけれども、小さい頃はとてもよく似ていた。声だって、乱数が声変わりする前まではよく似ていたからたまに乱数のふりをしたり 乱数が私のふりをしたりして両親を揶揄っていた。
あと、お互いの考えていることはある種のテレパシーのように感じ取ることができた。
それは隣で顔を見なくても分かるので、あ、今寂雷さんと毒吐きあってるななんてのも分かる。
思春期を超えて大人の身体を得て見た目が変わってもそれだけはずっとあった。だから乱数が彼女のことを好いているのも分かった。・・・落ち着いてよ乱数。その心の荒ぶりよう、私に伝わるのだから、ね。
「・・・う、ごめんほんと。」
「あ、言っちゃうんだ。」
「あー!もう〜〜!どうしたらいいんだろーーー?!」
ぼすぼすとクッションを殴ったり リチャードソンリスのノムラさんのお腹に顔を埋めてあぁあああっと叫ぶ乱数を見ていると面白い。
「ちょっと?!面白がらないで?!僕真剣に悩んでるんだよ!?」
「うん。分かってる、よ。同期のあの子とセフレ的な関係のままズルズルきちゃったけど本命すぎていつこの関係を区切ればいいか分からないし別の男が同棲持ち掛けて今にも取られそうであの男どう処分してくれようか、ってことでしょ」
「本当、なんなんだよあの男・・・チッ」

タバコ吸いたい気持ちが伝わっていたので ここは禁煙、と伝えておいたら少しむくれながら飴を口に含んだ乱数に 大変だねぇと念を送っておいた。

「・・・てか大変なのそっちでしょ」
「え?なにが」
「だってさぁ、いつぶりだっけ好きな人できたの」
「・・・え?」
「・・・あー・・・、気づいてないんだよなぁ?」
「好きな人なんて今いないよ」

え?べつに・・・、私・・・彼のこと好きじゃないよ?
そう、だよね?
「この前は・・・コモンドールのこと知ってて、感心しただけ、だよ?」

そうだよ、それだけ。


前へ次へ
戻る