悪戯なんて許しません

「・・・で。何の用?ティキ・ミック卿?」

「あ〜、今はただのティキ。手癖の悪い流れ者さ。」




信じられないけど、担がれたついでに透視してみたら彼はただ純粋に、その二面性を楽しんでるようだった。

まぁ、ノアのメモリーが「快楽」なだけあって欲望には忠実みたいだけど。




「あっそう。」

「うわっ興味なさげ!」

「だってそんなもの1ミリもないもの。」




泣きまねなんてしてるけど、シカトシカト!

興味ないものはないんだから!




「ひでぇなぁ、エトランゼ。」

「その名で僕を呼ぶってことは、ただのビン底じゃなくて敵と見なすよ。」




睨みつけたら笑われた。

失礼なやつだ。




「じゃあさ、教えてくれよ名前。」

「はあ?なんで敵に名前教えなきゃなんないのさ。」

「ならずっとエトランゼな。オレあんたの名前知らないし。」

「・・・・・。」




どーしよっかなー。
んー。名前くらいは教えてもいいのかな?

名前バレたところで困ることないよねー。

・・・・・・・・。




「、なまえ、」

「ん、なまえな!」




なんでこんな嬉しそうなんだ。

・・・・・ウザそうだから透視しないことにしよう。




「てかさ、名前教えたんだしそろそろ降ろしてくれない?」




こいつはいつまで人を米俵みたいに担いでるつもりなんだ。

しかもなんだか手の位置が怪しいような気がしないわけでもない。




「んー。どうしようかな。」

「!?や、なぁ!!ど、どこ触って・・・・・!!」

「どこって、お尻?」

「ぶ、ぶっとべ変態ぃぃぃい!!!」

「あっぶね!?」



ふざけんなまじでこいつ許さない許さない許さない・・・・!

軽々避ける辺りがまたムカつく・・・!!



「ちょっ、待ってって!!」

「だれが待つかこの変態やろおおお!!」



渾身の力(もちろん念動力で補助して)で攻撃する僕を軽々と避けるティキ。

ますますムカつくんだけど!!



「おま、ちょ!落ち着けって!ここ列車、ってどわあ!!」

「ちょっと穴開けたくらいじゃ止まらないから大丈夫でしょ・・・。」

「わ、悪かった!!俺が悪かったから・・・!!」

「謝って済むわけーーーーーーないでしょうがああああ!!!」



回し蹴りが上手くティキに当たった。

どさ、とティキが床に崩れ落ちるがノアは不死身だ。

きっと打ち所が悪くたって暫くしたら元に戻っているだろう。



「・・・随分騒いじゃったし、念のため列車の移動はやめとこうかな。」




お金はティキ達からぶんどったしね。

まったく瓶ぞこのくせに変態とか本当にありえない!

本当にぶっとんじゃえばいいんだ!
2018.03.18

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