口は災いの元

汽車って楽でいいよね。

料金が安くないのが難点だけど。




「ずっと乗ってたいけどこの前の街で稼いだお金、いつまでもつかわかんないからなぁ。」




今回は休憩ついでに汽車利用しただけだし。

ぶっちゃけ瞬間移動+念動力で飛んだ方が速い。
ただ二つは疲れるんだよねー。
一つの能力だけにしても疲れるけど。

やっぱりもう少し汽車で体力回復したいなぁ。




「なんかいい方ほ「コールッ!!」

「うぎゃああ!!」

「・・・は?」




なんだ?
て、ポーカーか。

大の大人が4人も揃って、子供が遊んでるんじゃないんだからもっと静かにすればいいのに・・・・。

やっぱり頑張って高い方のチケット買えばよかったかなー。

安いチケットの方って柄悪い奴とかあーゆー阿呆な奴多いんだよねー。




「・・・・あほくさ、」




・・・て、なんかさっき叫んだ男が服脱ぎはじめたんだけど。

いや、一応汽車だからね。
皆さん見てるし。淑女の方とかいらっしゃるからね。




「しかも子供すぐ横に居るじゃん。」




・・・・教育に悪いことは見逃せないよね。

大丈夫、ちょっと注意して終わりだから。
いざという時は瞬間移動で逃げればいいんだ。




「あの、沢山見てる人がいるのでこういうのは良くないと思うんですが・・・。」

「ん?」

「なんだい、嬢ちゃん?」




・・・・しまった。
これ、博打だ。

さっき叫んで服脱いだ男(見た目は豚みたいに丸々してる)が涙ぐんでいる。

対照的に瓶ぞこ眼鏡の黒髪天パ(煙草吸ってるしフケみたいなのが飛んでて汚い)、金髪で首より上で綺麗に切り揃えたおかっぱ男(顎しゃくれてるし髪型ダサい)、やたらと目付きの悪いニット帽の男(存在感薄い)の三人がニヤニヤ笑ってる。

てことだから、豚男(カモ)VS瓶ぞこ、おかっぱ、ニット帽で博打をして――――――豚男が負けて身ぐるみ剥がされ中ってことか。




「あ、いやー。公共の場で下着一枚って言うのはマナー違反じゃないかな、と。」




ひじょーにまずい。
私はアレンと違ってイカサマは得意じゃない。

巻き込まれたらひじょーに困る。

なんで口突っ込んだ私・・・・。

そして豚男、期待する感じでこっちを見ないで。




「俺たちはカードで遊んでるだけだぜ?」

「そーそー、ついでに賭け事してたらそいつが熱くなっちゃってさぁ。」




うっわー典型的に面倒なパターン。

ん?というか、見たところ博打いっぱいしてるみたいだよねこいつら。

てことはお金いっぱい持って・・・・。

・・・・・・・・。




「じゃあ私も賭け事参加させて下さい。」

「・・・・へぇ。」




おかっぱとニット帽がニヤリと笑ったけど。
接触感応能力者、なめんないで欲しいね。

ていうかさっきから瓶ぞこ眼鏡、私のこと見すぎだから。

接触感応能力と瞬間移動能力使えばアレンほどじゃないけどイカサマなんて簡単だよ!





































「コール」

「「「・・・・・・・・だああああ!!」」」




これで私の勝利は10回目。

豚男の服どころか荷物まで取り返して、三人からお金巻き上げた。

案外ポーカーってちょろい。

まぁ超能力使ったからなんだけど。




「じゃあ、お金も頂けたので私はこの辺で。」




手の平にある袋の金貨の音が心地好い。

これで稼いだりしないで中国まで行けるしまだ暫く汽車で移動できる。




「・・・・くぅう、」

「まぁこれに懲りたら賭け事しないで真面目に働いたらいいと思いますよ。」




三人は悔しがってるけど、先にカモってたのそっちなんだしいいでしょ。

それに、ポーカー中に透視んでたからわかっちゃったんだけど、「彼」が黒くなる前に他の汽車に移らなくちゃ。




「まぁそう言うなって。」

「それでは。」

「ってシカトかよっ!?」




瓶ぞこ眼鏡が何言ってるけど無視!




「っと!」

「っ、きゃ!」




え、ちょっと、なんで私、米俵みたいに担がれてる訳!?

しかも担いでるのビン底じゃん!!




「嫌っ!離してよ!!」

「まぁまぁちょっと話するだけだからさ。」




あ、ち、力強くて抜けられない!

目立ちたくないから超能力使いたくないし・・・。

まぁ、ビン底くらいなら楽に一人で倒せるしいいか。

・・・ビン底のまま、だったらの話だけどね。
2018.03.18

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