奥村さん家の妹ちゃん17
『メフィストさん。燐ちゃんたち、まだかな?』
「今やっている授業が最後なのでもうすぐ迎えに来ますよ」
膝の上に乗せて一緒におしゃべりしていたマイが寂しそうに言った。ちなみにマイは学校が終わらせてから奥村兄弟が迎えにくるまで、私が預かっている。藤本がいなくなってからひさびさに見る不安そうな姿に、何かしてやれないものかと考える。とは言っても急には思いつかないものだ。
『メフィストさん、メフィストさん。塾で雪ちゃんは先生してるんだよね?』
「そうですよ。奥村先生は対・悪魔薬学の天才ですしね」
『雪ちゃんの授業は分かりやすいだろうなー』
にこにこと話すマイ。それはマイ限定であることはあえて言わないことにしよう。きっと塾というか祓魔師の仕事をしているときの奥村先生の話をしてもきっと信じてもらえないでしょうし。
「マイは、奥村先生が授業しているところを見たいのですか?」
『うん!見てみたい!』
あぁ。予想通りの反応だ。期待に満ちた目で私を見上げてくる。
どうしたものか。期待には応えてやりたい。
ふぅ、と小さくため息をつく。せめてマイが高等部に忍び込んでも怪しまれない外見であればいいのだが...。
腕を組んで唸ってみれば、心配してくれるマイ。ぼーっとマイを見ていると少し昔のことを思い出して、ピカッとひらめいた。そうだ!あの手があったか!
「マイ!わたしにいい案があります」
『本当ですか!メフィストさん』
「えぇ。明日、奥村先生の授業を一緒に見に行きましょう」
約束した!
「奥村兄弟には、このことは秘密ですよ?」
『わかりました!』
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