昔話3
今日は10月31日 。ハロウィンである。
部屋はハロウィンの飾り付けがされ、扉の横に置かれたジャックランタンが不気味な笑みを浮かべてこちらを見ている。ふと窓の外を見ると、忌々しいポッター達が歩いている姿を見つけた。
「今日は談話室で本を読んで過ごすか」
ハロウィンのせいなのかいつも以上に過激になるポッターたちの悪戯に巻き込まれるのは御免だ。何があっても今日は寮から出ない。そう固く誓いながら本を持って扉に近づく。すると、扉の向こうからすごい勢いでこちらに向かってくる足音が聞こえた。何事かと不思議に思っているとその音が僕の部屋の前で止まると同時に、勢いよくドアが開いた。
「セブルスはいるか!」
「ルシウス先輩!?」
開いたドアの向こうにはルシウス先輩。彼にしては珍しく髪の毛がぼさぼさになっていた。
「先輩。いったいどうし、」
「緊急事態だ。人手が足りないからお前もはやく来い」
「え。あの、先輩!?」
僕は何が緊急事態なのかよく分からないまま、ルシウス先輩に引っ張られるままに部屋を後にした。
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談話室へと続く階段を降りるとすぐにルシウス先輩の言う緊急事態が分かった。
「ルシウス先輩。何ですか…このお菓子の山は、」
階段を降りると見えるのはいつもの上品な雰囲気の談話室ではなかった。どこを見てもお菓子の山。談話室が何故かお菓子で埋め尽くされていた。お菓子の山の中で、何人ものスリザリン生がお菓子を整理するために奮闘しているのが見える。よく見るとあれは、ナルシッサ先輩じゃ…。あまりの光景に驚いていると隣にいたルシウス先輩が苦笑すながら話し始めた。
「どこかの誰かがハニーデュークでハロウィン用この量の菓子を購入したそうだ。当日に届くように日にちの指定もしてな」
「そんなことをする奴がスリザリンにいるのですか?」
「あぁ。あそこにな」
ルシウス先輩が指差す方をじっと見ると見覚えのある人物がいた。
「メル、休んでないで働いてくださいよ。誰のせいでこんなことになってると思ってるんですか」
『うぅ。レギュラス、ちょっと休憩するくらいいいじゃない…あ、セブルス先輩!おはようございます!』
高く積み上げられた蛙チョコレートの横で手を振る女子生徒。
「メル…」
犯人がまさかの知り合いで、顔が引きつりそうになる。確かに彼女ならやりかねない。というかもうやってしまったのか。額に手を当ててため息をついていると突然目の前に現れたバーティ・ボッツの百味ビーンズの山。
「ルシウス先輩。これは、」
「言っただろ?人手が足りないと」
そう言ってルシウス先輩は無理矢理、僕に百味ビーンズの山を押し付ける。人手が足りないって、こういうことか。
「メル。セブルスが手伝ってくれるそうだ」
「なっ!?僕はまだ何も、」
『本当ですか!?ルシウス先輩!』
「セブルス先輩すみません。貴重な休みなのに」
ルシウス先輩の一言にあちこちから感謝の声が聞こえてくる。あぁ。これじゃあもう、手伝うしかないじゃないか。ガクッと肩を落としていると、ルシウス先輩に肩をポンポンと叩かれる。
「そういう訳でよろしく頼むよ、セブルス。まぁ、手伝いを断って本を読むにもこの有様では無理だろう?」
まぁ、確かに。この談話室の状態では本を読むのは無理だ。それに今日は談話室から出るつもりではなかったから丁度いいのかもしれない。
『セブルス先輩!こっちで一緒にやりましょー!』
「先輩、お願いします!僕だけじゃメルの面倒みきれないので」
遠くから手を振って呼んでいるメルとレギュラス。そんな2人の姿を見て、思わず笑みがこぼれる。
「あぁ。今からそっちに行く」
誰かに呼んでもらえる嬉しさを感じながら僕は2人の元へと向かった。
お菓子のの山にFanfare
「メル。こんなに買ってどうするつもりだったんだ?」
『いや。私もこんなに買った覚えはないんですよ』
「たぶん、メルのことだから注文するときに数量を書き間違えたんですよ」
「....間違えるにも程があるだろ」
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