*140字SS集(twitter)
『お帰りなさい。治崎さん』
「八重、今から出掛ける。準備しろ」
『今からですか?』
「あぁ、寒くないように着込めよ」
『わ、分かりました。どちらまで?』
「星を見に行く」
『!!急いで準備してきます』
治崎さんに連れ出してもらいたい。

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「…八重、」
『はい。なんでしょう?』
「好きだ」
『えぇ。私も治崎さんのことが大好きですよ』
「適当に流すな」
『流してなどいませんよ』
「頼むから、頼むから俺のそばから離れないでくれ」
『…はい。承知しました』
酔った時に治崎さんの本音がいつもより多く漏れてたらいいな、なんて思ったり。

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『クロノさん!』
「げっ!?なんで八重がここにいるんで?」
『お客様にお茶を出すためです!来客の予定がある時はいつも教えて下さるのにどうして今日は教えてくれなかったんですか!』
「それは」
「八重、」
『あ、治崎さん』
「茶はクロノスタシスに渡して、お前は退がれ」
『え?』
「いいな?」
『はい』

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『治崎さん。壊理ちゃんのことなのですが…私に任せて頂けませんか?』
「ダメだ」
『どうして?』
「もしもの話だ。俺がお前に壊理を殺せと言ったら殺せるか?」
『っ、それは』
「だからお前に壊理のことは任せていないんだ」
『…わかりました』
こんな流れなので八重は壊理ちゃんのお世話係になれてない。

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『あれ?治崎さん、今日もお早いんですね』
「…まぁな」
『まだ朝ごはんの準備できてないのでもう少し待ってくださいね』
「急がなくて大丈夫だ。ただ、コーヒーもらえるか」
『もちろんです!』
ほんの僅かな2人だけの時間。

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「八重、」
小さな池を眺めていると遠くから私の名前を呼ぶ、大好きな声が聞こえた。
『治崎さん、もう用事は終わったんですか?』
「あぁ。さっさと帰るぞ」
『はい』
「…おい、」
『へ?ぶっ!?』
突然、塞がる視界。あ、治崎さんの香りだ。
「風邪をひかれると面倒だから着ておけ」
『ありがとうございます』

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『若、お話があります』
そう言って宴会の途中で俺の前に座った八重は真剣な表情でこちらを見つめた。
「どうした」
八重の突然の行動に何事かと部下たちが騒ぎ始める。
『えへへ。私、若が大好きです』
「は?おい、八重急にどうした」
よく見れば彼女の頬は赤く、酔っていることは明確。
「…はぁ」
ため息をひとつ。

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治崎さんが珍しく酔ってるのを見て、これ以上は飲ませない方がいいと思ってお酒を下げようとするんだけど「八重、もう一杯くれ」『若。これ以上はダメです』というやり取りをしばらく繰り返してそう。最終的に仕方なく一杯だけ注ごうとすると「甘やかさないでくだせい」ってクロノさんに止められる。

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『若、お帰りなさい』
「あぁ。何か変わったことはあったか?」
『いえ、特に何もありませんでした』的な会話をしながら八重は治崎さんの着替えを手伝ってる。
そして、治崎さんがネクタイ外す姿に内心ドキドキしてればいい。

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久しぶりのドレスと慣れない会合でのやり取りに少し疲れていると、 治崎さんが戻ってきた。
『お帰りなさい。何か飲みますか?』
「いや、今はいい。それより八重、」
『?何でしょう?』
「これを羽織っておけ」
『でも、治崎さんが…』
「俺の事は気にしなくていい」
『えへへ。治崎さんの香りがする』

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「八重、あれはどこにある?」
『あの書類なら机の上に置いておきましたよ』
「八重。あの件に関する報告書ってどこにありやすかい?」
『あ、それならここに』的な感じで、あれ・あので会話が成立しちゃう死穢八齋斎會と八重。

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『ダメですよ。治崎さん』
触れようとする度に、彼女は困った表情で俺から遠ざかる。
『蕁麻疹が出ちゃいます』
「構わない」
『ダメです。私は貴方に苦しんで欲しくない』
「八重はそれでいいのか?」
『え?』
「いや、なんでもな『私はそれでいいんです。貴方のそばに居られるのなら』」

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もう二度と彼女を失う恐怖を味わいたくなくて前線から遠ざけたはずなのに
『怪我、してないですか?治崎さん』
どうして守りたかった存在に自分が守られているのか
「…八重」
『そんな顔、しないでください。私は治崎さんが無事で嬉しいんですから』
「痛かったよな」
『治崎さんを失う痛みに比べたら全然』

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『あ…ごめんな、さい』
またやってしまった。マズイと思った時にはもう遅かった。すぐに治崎さんが私の視界を遮ってくれたけれど、それははっきりと私の中に焼き付き、今も頭の中で何度も繰り返されている。
「お前は悪くない。だから、全部忘れろ」
『…はい、』
きっと、貴方がいなかったら私は壊れている。

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『…き、緊張する』
「別にそんなものする必要ないだろ」
『治崎さんはそうかもしれないですけど!私みたいな役なしは口から心臓が出てきそうな状況なんです!…あ、』
「どうした?」
『今回の会合の主催者が来ました。挨拶に行ってきますね』
「必要ない」
『へ?でも、』
「お前は俺のそばから離れるな」

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『おかえりなさい。お疲れ様でした』
そう言って笑顔で迎えてくれる彼女。
「あぁ、」
「戻りやした」
死穢ハ斎會の貴重な癒し要員なのだが、時々爆弾を投下してくる。
『今日の晩御飯はクロノさんの大好きな料理にしたので、楽しみにしていてくださいね』
「へ…へい」
「…クロノ」
「へい!」
「後で覚えてろよ」

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着物は全て俺からの贈り物。彼女を自分と同じ香りに染め上げたくて柔軟剤からシャンプー、あらゆるものを揃えた。
『私は治崎さんの隣からいなくなりませんよ?』
彼女はそう言って笑うが、こちらは心配で堪らない。他の誰かに奪われないよう、今日も彼女のどこかに俺の影を纏わせる。

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『若、髪の毛を乾かさないと風邪をひいてしまいますよ』
「あぁ」
一体このやり取りを何回繰り返したことか。少しずつ暖かくなってきたけれど、彼に風邪をひかれては困る。近くに置いてあったバスタオルを持ち、彼の背後に立つ。
「悪いな」
『そう思うならご自分でやって下さい』
「たまにはいいだろ?」

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