白澤さんと助手1
白澤様がいじけている上に不機嫌である。こうなった白澤様はとにかく面倒くさい。どうしたのかと尋ねても、「うー」とか「あー」しか返ってこない。いつもの調子に戻ってもらわないと仕事に支障がでてくるから困る。

「白澤様、今日あたりこの前の女性が来るんじゃないですか?」
「え。そうだっけ?」

いつもなら飛んで喜ぶのに...。本当にどうしたというのだ。
とりあえず、先程まで使っていた器具の片付けを始める。

「今日は、ね」

ぽつりと白澤様が話しはじめる。

「今日は小町ちゃんがいないからやる気でないんだ」

机の上で腕を組んで顔を埋めている白澤様の目が伏せ目がちで、寂しそうな表情になる。この人もこんな顔するのか。ちなみに小町さんは俺と同じく白澤様のもとで勉強している子だ。とても気の利く、頑張り屋さんな女の子。俺が来るずっと前から勉強しているらしい。

「今日は鬼灯様の手伝いに行っているんですよね」

あの愛らしい笑顔で手を振りながらここを出て行ったのは数時間前。
そういえばあの時、白澤様は見送りにいなかったかもしれない。

「あいつに迫られてなきゃいいんだけど」
「大丈夫ですよ。鬼灯様はそんなことするような人じゃないですから」

白澤様と違って、と付け加えそうになったけれどなんとか我慢した。

「そもそもどうして小町ちゃんがあいつの手伝いをしなきゃいけないんだよ」

顔を完全に腕の中に埋めてしまった。なんだこの人。普段のあの女癖が嘘のようだ。小町さんが白澤様のことを慕っているのは知っていたけれど、まさか白澤様もとは...。小町さんは鈍感な上に、この恋は叶わないものだと言っていたのを思い出す。
どうやら、この2人がくっつくまでには時間がかかりそうだ。


前途多難な2人にハッピーエンドを


「白澤さん!今日も来ちゃった」
「花子ちゃん、いらっしゃい」
「(おい。さっきまでの雰囲気はどこいった)」
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