卯月の嘘 5
半開きになった窓
怪しく膨れあがった布団
机の上に積み上げられたスナック菓子の山

夕飯を終えて自室に戻った俺は、その光景を見て顔をひきつらせた。

「(こいつ、また窓から不法侵入かよ)」

ベッドに近づいて膨れあがっている布団を掴んで剥ぎ取れば、そこには眠っている玲の姿。布団を取られて寒いのか、んーと言いながら近くにあったタオルケットに包まる。むにゃむにゃと呑気に寝ている顔が無性に腹が立つ。

「おい、起きろ!馬鹿玲!」

タオルケットを勢いよく引っ張れば、玲が勢いでごろんとベッドから落ちていく。

『い、いったぁぁぉ!』

ゴンッという音の後に玲の痛がる声がした。
ざまーみろ。
頭を抑えた玲が半泣きになりながら再びベッドの上に這い上がってくる。

『真ちゃん、おかえりー!』
「お前、俺の布団で何やってんだ」
『寝てた』

真ちゃんのベッドは相変わらず寝心地いいね、と学校だったら面倒くさいことになりそうなことをさらりと言うこいつに頭を抱えそうになる。

「お前、寝るために来たのか」
『ううん。違う』
「なら、何しに来た」
『真ちゃんを襲うために待ち伏せしてた...って、いたたた!』

ろくでもないことを言う玲の頭を鷲掴みにすれば、再び半泣きになりながら謝ってきた。

「最期に何か言いたいことはあるか」
『もしかして、


待ち伏せ失敗?


「よし、玲。言いたいことはそれで全部だな?」
『嘘です!嘘です!真様に数学教えてもらうために来ました!』
「最初からそう言えよ」
『でも、隙があれば襲っちゃうよ?...って、真ちゃん!怖いから睨まないで!』
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