Who am I?
私がどうして森の中にいたのかはずっと考えていたこと。
でもどうして目が覚める前のことを思い出そうとしなかったんだろう...記憶がないことにもっと早く気付くべきだった。
「大丈夫?」
心配そうに見上げるロキに大丈夫だと言いたかったが口から出たのは肺から出される空気の塊。
「思い出せないの?」
その言葉にゆっくりと首を縦に振る。
肺から出る空気を言葉に変えるには随分と時間がかかった。
「わかん、ない。私...なんで気づかなかったんだ...っ!」
「ギャウ!!ギャウギャウ!!!」
「む、無理に思い出さないほうが良いってルークが......」
思い出そうとすると頭が鈍器で殴られたように痛んだ。咄嗟に頭を押さえるとロキとルークから心配する声が聞こえる。
「うん。そうだね。..................ま、いっか。生きてればいつか思い出すよ!!!自分のことはわかるんだから。」
「えぇっ!!?」
「?ロキどうかしたの?」
「う、ううん。なんでもないよ。」
混乱したがいつかは思い出すだろうとサクッと気持ちを切り替えた。自分自身の、しかも一番重要な事のはずなのに、あっけらかんとしている彼女はポジティブというか、能天気というか。あまりにもあっさりとしたその姿にロキとルークが呆れているのを知らずに、カズハは立ち上がって辺りを見渡した。
「ロキ...聞き忘れてたけどここってどこなの?」
「ここ?僕もよく分かんないけどここは空島っていう空に浮かんでる島なんだ。」
「空?!ここは空の上なの??」
「うん。僕もただのお話だとしか思ってなかったんだけど“突き上げる海流 ”で雲の上まで上げられたから間違いないよ。あ、突き上げる海流っていうのはね......」
ロキは何も分からない私にこの世界について一から教えてくれた。“偉大なる航路 ”や東西南北のそれぞれにある海のこと...そして海軍と海賊について。
「どう?何か思い出せそう?聞き覚えがあるな〜とか。」
「ごめん、全っ然わかんない。」
何か思い出すかも知れないと色んなことを教えてくれるロキ。でもロキが話すことは全て初めて聞いたことばかりだ。しょんぼりと俯くロキの頭をありがとうと気持ちを込めて撫でた。
「とりあえず人探さないとどうしようもないよね...ねえロキ。海岸がどこだかわかる?」
「うん。どうするの?」
「森の中を彷徨っても体力を消費するだけだから、海岸に出て歩いた方がいいと思ったの。その方が海からも人に見つけてもらえるし...あ、でもここ雲の上なんだっけ...」
「雲の上でも地上とちょっと違うくらいだったよ。案内するね、こっちだから来て!あ、そうそう。人間には悪い奴らもいるんだ。もし見つけても警戒しないとダメだからね!?」
「うんわかった。じゃ、行こっか。」
ロキとルークの案内で森の中を歩いた。
海岸まで向かう途中、空の上に人っているんだろうかと嫌な考えが頭に浮かぶ。
もし人が見つからなかったら...このままこのどこだかわからない場所で一人で生きていくのか、いやロキとルークがいるけども、それは嫌だな〜と考えていたら木で覆われていた視界が一気に広がり、目の前に広がる白い海に気を取られた。
「うわーーーー!!!白いっ!!!!ホントに空の上なんだ?!」
「信じてなかったのっ!!?」
「信じてない訳ではないんだけど......」
実際に雲を見るまで半信半疑だったのは確かだ。
海岸には半分しかない円形の家が建てられていた。窓から覗き見たが人の姿はない。
「人...いないね。」
「うん。まあすぐ見つかるとは思ってないけど......」
人がいた証拠を見つけただけでいくらか気分も晴れた。このままだと森で生活しないといけないが...見つけた食料があるのでしばらくはどうにかなるだろう。
「ねーねー、空の海って雲みたいにふわふわしてるのかな?
」
「さぁどうかな?わかんない。」
「あ、そっか。泳げないんだっけ?」
「うん。前は泳げたのにな...」
「じゃあここでは無理だけどもっと足場が良さそうな所があったら一緒に入ろうよ!!ロキが溺れたら私が助けてあげる!!!」
「ホント!?ありがとう!!!」
ひしっと抱き合うとルークは呆れたように肩を竦めた。まだ知り合って間もないのに随分仲良くなれたものだ。
・ ・ ・
その後何か魚が釣れないかという話になって手短にあった棒に細い蔓を巻きつけて簡単な釣竿を作った。
「これで釣れるのかな...」
「キューキュイ!」
「獲れるのだったらルークが獲るって!」
魚がかかっても引いただけですぐに壊れそうな釣竿。ルークの言葉に安心して海(?)雲(?)に落とした。餌は近くの地面を掘ったら出てきたミミズ...にしてはサイズが大きい変な生き物だ。獲物がかかるまで根気よく待つ。
することがなく暇で足をぶらぶらさせていると水面にぶくぶくと泡が立った。
「来た...のかな?でもなんかあの泡大きくない?」
「うん。きっと大物がかかったんだよ!!」
「そうなのかなぁ...」
なんだか嫌な予感がする。釣竿を離すか離さないかで迷っていると水面が波立ち、大きな水柱が上がった。
「キシャーーーーー!!!!」
「いやーっ!!!出た〜〜っ!!?」
身の丈より何十倍も大きい蛇のような生き物。その広げられた大きな口からは何重にも重なる鋭利な歯が見えた。
「カズハ!!!!」
「む、無理...腰が抜けて、動けない...」
突然のことに驚いて逃げようとするが足に力が入らない。蛇の口が迫った。もうダメだと目を瞑ったその時。鋭い音が響く。恐る恐る目を開くとそこには緑色の髪をした男の姿が...
「ちっ...早く逃げろ!!!」
「は、はい!!!」
男に怒鳴られ匍匐前進の様な形で急いでその場から逃げた。振り返ってみると男は手に持った刀で蛇の口を受け止めている。
「こっちよ!!!」
「うぇっ?!」
海岸から逃げた私は腕を引かれ近くの茂みに引きずり込まれて咄嗟のことに体がついていかず木の根に足を取られて転んだ。
「だっ!!!」
「ちょっとあんた大丈夫?...て、あれ??」
カズハの手を引いた人物が振り返ると頭に大きなタンコブを作って気絶している女の子が倒れているだけだった。
でもどうして目が覚める前のことを思い出そうとしなかったんだろう...記憶がないことにもっと早く気付くべきだった。
「大丈夫?」
心配そうに見上げるロキに大丈夫だと言いたかったが口から出たのは肺から出される空気の塊。
「思い出せないの?」
その言葉にゆっくりと首を縦に振る。
肺から出る空気を言葉に変えるには随分と時間がかかった。
「わかん、ない。私...なんで気づかなかったんだ...っ!」
「ギャウ!!ギャウギャウ!!!」
「む、無理に思い出さないほうが良いってルークが......」
思い出そうとすると頭が鈍器で殴られたように痛んだ。咄嗟に頭を押さえるとロキとルークから心配する声が聞こえる。
「うん。そうだね。..................ま、いっか。生きてればいつか思い出すよ!!!自分のことはわかるんだから。」
「えぇっ!!?」
「?ロキどうかしたの?」
「う、ううん。なんでもないよ。」
混乱したがいつかは思い出すだろうとサクッと気持ちを切り替えた。自分自身の、しかも一番重要な事のはずなのに、あっけらかんとしている彼女はポジティブというか、能天気というか。あまりにもあっさりとしたその姿にロキとルークが呆れているのを知らずに、カズハは立ち上がって辺りを見渡した。
「ロキ...聞き忘れてたけどここってどこなの?」
「ここ?僕もよく分かんないけどここは空島っていう空に浮かんでる島なんだ。」
「空?!ここは空の上なの??」
「うん。僕もただのお話だとしか思ってなかったんだけど“
ロキは何も分からない私にこの世界について一から教えてくれた。“
「どう?何か思い出せそう?聞き覚えがあるな〜とか。」
「ごめん、全っ然わかんない。」
何か思い出すかも知れないと色んなことを教えてくれるロキ。でもロキが話すことは全て初めて聞いたことばかりだ。しょんぼりと俯くロキの頭をありがとうと気持ちを込めて撫でた。
「とりあえず人探さないとどうしようもないよね...ねえロキ。海岸がどこだかわかる?」
「うん。どうするの?」
「森の中を彷徨っても体力を消費するだけだから、海岸に出て歩いた方がいいと思ったの。その方が海からも人に見つけてもらえるし...あ、でもここ雲の上なんだっけ...」
「雲の上でも地上とちょっと違うくらいだったよ。案内するね、こっちだから来て!あ、そうそう。人間には悪い奴らもいるんだ。もし見つけても警戒しないとダメだからね!?」
「うんわかった。じゃ、行こっか。」
ロキとルークの案内で森の中を歩いた。
海岸まで向かう途中、空の上に人っているんだろうかと嫌な考えが頭に浮かぶ。
もし人が見つからなかったら...このままこのどこだかわからない場所で一人で生きていくのか、いやロキとルークがいるけども、それは嫌だな〜と考えていたら木で覆われていた視界が一気に広がり、目の前に広がる白い海に気を取られた。
「うわーーーー!!!白いっ!!!!ホントに空の上なんだ?!」
「信じてなかったのっ!!?」
「信じてない訳ではないんだけど......」
実際に雲を見るまで半信半疑だったのは確かだ。
海岸には半分しかない円形の家が建てられていた。窓から覗き見たが人の姿はない。
「人...いないね。」
「うん。まあすぐ見つかるとは思ってないけど......」
人がいた証拠を見つけただけでいくらか気分も晴れた。このままだと森で生活しないといけないが...見つけた食料があるのでしばらくはどうにかなるだろう。
「ねーねー、空の海って雲みたいにふわふわしてるのかな?
」
「さぁどうかな?わかんない。」
「あ、そっか。泳げないんだっけ?」
「うん。前は泳げたのにな...」
「じゃあここでは無理だけどもっと足場が良さそうな所があったら一緒に入ろうよ!!ロキが溺れたら私が助けてあげる!!!」
「ホント!?ありがとう!!!」
ひしっと抱き合うとルークは呆れたように肩を竦めた。まだ知り合って間もないのに随分仲良くなれたものだ。
その後何か魚が釣れないかという話になって手短にあった棒に細い蔓を巻きつけて簡単な釣竿を作った。
「これで釣れるのかな...」
「キューキュイ!」
「獲れるのだったらルークが獲るって!」
魚がかかっても引いただけですぐに壊れそうな釣竿。ルークの言葉に安心して海(?)雲(?)に落とした。餌は近くの地面を掘ったら出てきたミミズ...にしてはサイズが大きい変な生き物だ。獲物がかかるまで根気よく待つ。
することがなく暇で足をぶらぶらさせていると水面にぶくぶくと泡が立った。
「来た...のかな?でもなんかあの泡大きくない?」
「うん。きっと大物がかかったんだよ!!」
「そうなのかなぁ...」
なんだか嫌な予感がする。釣竿を離すか離さないかで迷っていると水面が波立ち、大きな水柱が上がった。
「キシャーーーーー!!!!」
「いやーっ!!!出た〜〜っ!!?」
身の丈より何十倍も大きい蛇のような生き物。その広げられた大きな口からは何重にも重なる鋭利な歯が見えた。
「カズハ!!!!」
「む、無理...腰が抜けて、動けない...」
突然のことに驚いて逃げようとするが足に力が入らない。蛇の口が迫った。もうダメだと目を瞑ったその時。鋭い音が響く。恐る恐る目を開くとそこには緑色の髪をした男の姿が...
「ちっ...早く逃げろ!!!」
「は、はい!!!」
男に怒鳴られ匍匐前進の様な形で急いでその場から逃げた。振り返ってみると男は手に持った刀で蛇の口を受け止めている。
「こっちよ!!!」
「うぇっ?!」
海岸から逃げた私は腕を引かれ近くの茂みに引きずり込まれて咄嗟のことに体がついていかず木の根に足を取られて転んだ。
「だっ!!!」
「ちょっとあんた大丈夫?...て、あれ??」
カズハの手を引いた人物が振り返ると頭に大きなタンコブを作って気絶している女の子が倒れているだけだった。