わざとだよ?
「おい」
「……」
「おいて!」
「なんだクソガキ。俺は忙しいんだ」
「ハートとダイヤはゲームしてるのよ。スペードも混ざる?」
「いや、いいよ……ゲームはいいんだけどさ……」
スペードはちらりと後ろを見やった後、呟く。
「些か近いんじゃねぇか?」
そう、ダイヤとハートはかなり密着して対戦ゲームをしている。もっと言うとハートの豊満な胸がダイヤの腕に当たっている。ハートが気づいているのかいないのかはわからないがダイヤは絶対に気づいているだろう。
それのなにが問題かって。視線を感じるのだ。先ほど自分が見やった後ろの方から。先ほどからダイヤとハートの様子をずっと見ている女性。確か名前はペルセネ。元はキングを妄信していた女性だが、ダイヤが手を出して彼への恋慕に落ちた女性だ。それをダイヤが知らない筈ないのに。見せつけるようにハートとくっついている。その時間が伸びる程ペルセネの視線がどす黒くなって行く。スペードとしては大変居た堪れない。何故気づかないんだハート。
「スペード、ハートのこと好きなの? スペードもくっつきたいの?」
「いやいやいや!」
これ以上話をややこしくしないで欲しい。
「あ、負けちゃった……」
ハートが小さく、残念そうに声を上げた。
「はい俺の勝ち」
ダイヤがハートを膝の上から退ける。むくれたハートはソファに寄りかかり、呟く。
「ダイヤ強過ぎるから楽しくないよ」
「俺はなにをするにも廃人気質だからね」
「ヌウ」
そこでソファの下からダイヤのヌイコグマが出て来た。ゲームが終わるのを待っていたらしくダイヤの膝に乗る。それを優しい手つきで撫でながらダイヤは奥に呼びかけた。
「君も来なよ、ペルセネ」
「!」
呼びかけられたペルセネが身じろぎする。
「わ、わたくしは……」
「上官命令」
「で、では……」
戸惑いながらも嬉しそうなのを隠さず、ペルセネが駆け寄ってくる。それを満足そうに見やりながらダイヤはスペードに耳打ちした。
「僕が女とくっつくだけであんなに可愛く嫉妬するんだよ? 可愛くない?」
「……俺をそういう世界に巻き込まないで頂きたい」
ダイヤはとても満足そうに笑うのであった。
【170425】
はくりさん宅ペルセネさんお借りしました。
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