創作小話
海外短編 エーベルハルト

やべーけんきゅうじょちほーの話

研究員「モラルがうんたら法律がかんたらなのでちゃんと守りましょうね」
エーベル「お前は自分に効力があると思ってるんね」

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「ぼくを従わせて、気持ちいい思いでもしたいの?」

▷そんなことない
「そ。ぼくのパパママと似たような喋り方するからね。ごめんね」
「それで? どんなルールに従ってほしいの」

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 エーベルハルトは研究所の最新技術を使って研究員の脳波を調べたいと申し出ます。
 最先端の医療システムや機器を使って、神経伝達やそれに伴う電気信号なども調べます。なるほど恒常的なデータ取得のために、かの研究員は連日エーベルハルトに呼ばれていました。
「ね。毎回来るの大変じゃんね。ぼくんとこ泊まる?」
 研究が日を跨ぐとき、エーベルハルトは研究員へ自室のベッドで眠るように伝えました。若干疑心はあったものの、エーベルハルトが特になにもアクションを起こさないものですから、すっかり安心して眠るようになりました。
 そのうち、1週間やら10日やら、長く彼の自室で眠る日が増えてきました。エーベルハルトも研究熱心で、脳波の差異や握力と伝達についてなどをしきりに打ち込んでは残しています。
研究員はホロリと言葉をこぼしました。
「最先端技術とモラルを守れば、みんな話を聞いて協力してくれます。そうでしょう」
 エーベルハルトは笑いました。
「ね。だいぶ勉強になったんね」

 研究員が蒸発するが如く消息を絶ったのが発覚したのは、それから3ヶ月後のことでした。
 煙のように消えてしまったものですから、それはもう騒然としました。エーベルハルトを問い詰めても、涼しい顔で「さあ?」と言うばかり。
「あれは優秀な研究員だった。あとで俺が研究する手筈だった」
 父親の同僚にそう詰められても、やはりと言うかエーベルハルトはしらっとしておりました。
「研究員のことなんて知らん。そも、うかうかしてるから悪いんじゃんね」
 意地悪をするガキ大将みたいに笑ったエーベルハルトは、若い男の研究員の横をなんでもないように通り過ぎて日常へ戻ります。15時なので、おやつの時間です。

2020/10/11


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