ギルベルトさんに今日から私が生活する部屋に案内をして貰い中に入ればやはり高級感溢れる部屋で驚いてしまう。まるで何処かのお金持ちの家か高級ホテルみたいだ。ぽかんとして部屋を見ていればギルベルトさんがお風呂のことや着替えのこと、ご飯のことなど色々と教えてくれた。
「では、何かありましたら遠慮なく呼んでくださいね」
「は、はい。ありがとう御座います」
ギルベルトさんが部屋から出て行きパタンと扉が閉まり一人の空間になる。HLに来てから初めての静けさだ。だが大きな窓の外を見れば何らかの騒ぎが起こっている。異界人同士の悶着があったり、遠くでは何か爆発したような煙が上がっていたりとそんな光景ばかり。見ているだけで疲れてしまう。窓から離れバッグを椅子の上に置き、ふかふかのベッドの上へ倒れ込む。
「私の体どうなってるんだろ...」
そう呟きながら自身の掌を見る。
この掌からいきなり出た液体が、殺すことは不可能に近い吸血鬼に有力。やはり何度考えても何だか腑に落ちない。何故私の掌からそんなものが出るのか。何故いきなりこんな可笑しな能力のようなものが身に付いてしまったのか。そんな事を考えモヤモヤとしていても、寝不足の脳は兎に角寝ろとでも言うように段々と瞼が重くする。でもこれから会社に連絡をしなければ、それから叔母にも。
でも、
「...眠い...」
少しだけ、少しだけ眠ろう。ほんの10分だけ。そしたら会社と叔母に連絡をして、ゆっくり自分の体に起こっている事を考えよう。
そう思いながらも携帯でタイマーのセットはせずに、スーツのまま布団も掛けずに、瞼を閉じるナマエ。
勿論10分後に起きるはずもなく、深い眠りにつく。
・
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「ん......今何時?!」
それから数時間後、深い眠りについていたナマエは目を覚ます。瞼をゆっくりと開ければ辺りは真っ暗で思わず飛び起きる。
時間を確認するべく携帯を取り出す。携帯の電源を入れスクリーンに映った時刻は、
"23:21"
この時刻には勿論驚くが、もう一つ気になる事があった。
「ね、寝すぎた...ってあれ...、私布団掛けて寝てたっけ...」
私の記憶が正しければベッドに倒れ込んでそのままねた筈なのだが、何故か私はベッドと布団の間で寝ているのだ。
だが、布団のことであまり考えるのも布団を掛けた記憶はない