十文字くんを知りたい


「それで!?告白したわけ!?」
「いや、早すぎるでしょ!」
「で?で!?返事は!?」
いつもの様に、放課後ファミレスで話していたら当然あの話題になった。そしてまたいつもの様に私に順番が回ってきた時、身を乗り出す勢いで告白したことまでを告げると、彼女たちは一拍の後わっと詰め寄る。浮いた話のひとつもない私の恋の話題となると、うかうかココアも飲んでいられないのかも。
「えへへ、フラれました」
「あ、そうなの…」
「でも私諦めないよ!十文字くん好きだから!」
そう、私は諦めない。きっとフラれたと知った友達は下手に掘り下げない方がいいと思ったのかもしれないけれど、こんなことでへこたれる私ではないのだ。

「まあ、嬉しいけどよ、俺今アメフトが楽しいんだ。だから、多分お前に構ってやれないから、なんだ、すまん」

と、言うことは、別に私が嫌だから断ったわけではない。はず。望みはまだあるのだ。と思う。
「それでどーすんの?」
「んー…まずはアメフト部覗いてみよっかなって」
「え、アメフト部はやめといた方がいいんじゃない?」
友達の言葉にはっとする。そうか、邪魔になっちゃうかもしれないしね。そう言うと、友達は違うのと顔を青くして首を横に振った。
「アメフト部には、あの悪魔がいるから」
「悪魔?」
よく分からなくて、詳しく聞こうとしたけれど誰も口を固く閉ざしてなにも教えてくれなかった。よく分からないけれど、とりあえず行くだけ行ってみよう。十文字くんのことをよく知るには、まずアメフトのことをよく知らなければ。

「…来ちゃった…」
放課後、必死に止めてくる友達を撒いてなんとかグラウンドに辿り着いた。あ、あれかな。木の陰から覗くと、アメフト部らしき部活が練習しているのが見える。昨日少し勉強したけど、アメフトは危険なスポーツらしい。似ているラグビーよりも怪我をする確率が高いんだとか。十文字くんはどこのポジションなんだろう。
「なにしてるテメー」
「うわっ」
急に声をかけられて、驚いて飛び退いてしまう。振り返れば、金髪の男の子が訝しげに私を見ていた。誰?
「あ、すみません、アメフト部見てました」
「…なるほどなあ」
先輩かな。同学年にはこんな子いなかったはず。先輩(仮)は私をみてにやりと笑ってから、見るならもっと近くで見ろと言ってくれた。え、ラッキー。るんるんと先輩(仮)の後をついていくと、

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