反応時間0.1秒
title by Catch sight of
「おはよー。」
まだ少し眠そうな顔で楽屋に入ってきたあい。
ざっくり編まれたグレーのニットに、裾がきゅっと絞られた黒のストライプパンツ。頭にはボーラーハットをちょこんと乗せて、サボサンダルで歩いてくる。
「おはよ。今日は眼鏡なんだ。」
「うん。ちょっと目がゴロゴロするの。」
「大丈夫? 目薬とかした?」
「翔くん、お母さんみてぇ。笑」
「だって心配になるでしょ。ね、智くん?」
「うん。」
さっきまで寝ていたはずのリーダーまで起き上がり、ちょっとした騒ぎになる楽屋。
翔ちゃんが心配するのも無理はない。今日はアルバム曲の振り付けがあったり、ショップで発売される写真撮影があったりと、きつめのスケジュールだからだ。今は眼鏡で過ごしているあいも、撮影となると外さなければならない。
心配顔で見ているのに気付いたのか、あいがこっちへ笑顔を向けてきた。
「相葉くん、大丈夫だからね。ちょっと休んだら直るんだから!」
「うん。無理しないようにね。冷やす? あっためる?」
「あい、ほら。今の内に、目休めとけ。」
そう言って松潤が差し出したのは、蒸しタオル。俺たちが話している間に、マネジャーさんに準備してもらったようだ。
自分も普段は眼鏡をかけているだけに、あいの状況がよく分かるのかもしれない。そういえば、松潤も今日はまだ眼鏡をかけている。
「うわー、これ気持ちいいんだよね。潤くんありがとう!」
松潤にお礼を言うと、荷物を置いてソファーに腰掛ける。かけていた眼鏡をテーブルに置き、蒸しタオルを目に当てると、あいの体の力が抜けるのが分かった。
「ふぃー。極楽極楽。」
「おっさんくさいよ? 笑」
「だって気持ちいいんだもん。」
「温泉入った感じ?」
「そうそう。思わず声が出ちゃうあの感じだよ。」
ソファーの背もたれに頭を乗せてリラックスしていたあいの腕を、隣に座っていたニノが引っ張る。
「ほら、ここ来な。」
そう言って、自分の膝にあいの頭を乗せた。あいがごそごそと頭を動かし、落ち着ける場所を探っている。
動きの止まったあいを見ると、ニノは机の上に置いていたゲーム機を再び手にした。
「寝るのはえー!」
「疲れてんでしょ。昨日も撮影押したみたいだし。」
「あー、ドラマね。」
「忙しいのはありがたいんだけど、ね。」
「まったく、体調管理くらいしっかりしなさいよ。」
口ではキツいことを言いながら、あいの頭を優しく撫でる。それを見守る翔ちゃんの目も優しくて、楽屋に穏やかな空気が流れた。
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