揺れる水面に、踊る赤
『お疲れ様でしたー。以上で収録終わります。』
スタッフさんから声がかかり、1本目の収録が終わった。
今日は2本撮り。1本目の最後は、ニノのコーナー『ちっちゃな野望』だ。
今日は超巨大金魚で、金魚すくいをする企画だった。
おせんべいのように固く作られた最中のポイで、体重400gの金魚をすくおうとしたものの、あえなく失敗。
ニノと死闘(?)を繰り広げた金ちゃんも、飼い主さんの元へ戻り、水槽に残るは小さな金魚たち。
「ニノ、惜しかったねー。」
「いや、もう金ちゃんに完敗ですよ。」
「負けたんだから、金ちゃんじゃなくて金さんだろ。」
「なんか時代劇みたいになっちゃってるよ。笑」
「金さん……。ふふ。」
「おいおい、リーダーがツボに入ったぞ。笑」
そんな他愛もない話をしながら、水槽の中を見つめる。
ゆらゆらと泳ぐ様子がなんだか涼しげで、でも少し儚くて。夏の終わりを感じた。
「今年、金魚すくいしてないなぁ。」
「私も。ドキドキしながら、水に手を沈めるあの感じ、たまらないよね!」
嵐のお祭りコンビが、水槽の縁に座り込みながら話し出す。
「金魚すくいって言ったらニノじゃない?」
「あー、あれでしょ? 携帯電話のCMのヤツ。」
「よく覚えてんね。笑」
「だっておいらは、ニノ担だから。笑」
「そんなの私だって覚えてるよー! アチャチャチャーってヤツでしょ?」
「そうだそうだ。で、めっちゃ金魚すくうんだよね。」
みんなの方へ向けた顔を、再び金魚へ戻すあい。
右手がうずうずと動いていて、今にも水の中へ滑り込みそうだ。
俺はみんなの輪から離れ、近くにいたスタッフさんに声をかける。
この後、次のセットの準備に時間がかかることを確認し、近くにあった紙のポイを掴んで戻る。
「ほら、金魚すくい、したいんだろ?」
あいへ紙のポイを差し出すと、驚いて目を丸くする。
何で分かったのか不思議な顔をしている。お前の考えていることなんて、すぐ分かるんだよ。
「え? これどうしたの?」
「あっちで貰ってきた。まだ片付けまで時間あるから、ちょっとだけなら金魚すくいしてもいいって。」
「マージーで−!? 俺もやるやる!」
「すごいテンションの上がりようだね。笑」
「俺もやりたい。」
「大野さん、釣り針ついてないけどいいですか? 笑」
「ニノもやるだろ?」
「俺、さっき金ちゃんと勝負したのにー。」
口ではそう言いながらも、それほど嫌ではなさそうなニノにポイを渡す。
あいは、
「どの金魚にしようかな。」なんて言いながら、もうポイを構えている。
「じゃあ、やっちゃいますか。嵐の金魚すくい大会ー!!」
ノリノリの翔くんの声で、俺たちの金魚すくい大会が始まった。
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