円陣を組み、重ねた手を小さく落とす。顔を見合わせて、いよいよスタートだ。
『それでは参りましょう。6人勢揃いの嵐の皆さんで特別ルール、エキシビション。レディーゴー!』
枡さんの声に相葉ちゃんが飛び出す。
「ほっ!」
ドーナツの外側に危なげなく着地し、笑顔を浮かべている。
『さすがです。まずは一人目相葉さん。難なくクリアー!』
次は松潤。相葉ちゃんがポジションを決めたのを見ると、軽く頷いて走り出した。
「よっと!」
差し出された相葉ちゃんの手にしっかりと握り、体勢を整える。
『松本さんも無事クリアー! ここまで危なげな様子は全くありません。』
3番目はあい。足を軽く曲げ伸ばししていたあいに松潤から声が飛ぶ。
「俺らできるだけ外側にいるから、遠慮無くとんでこいよ。」
「支えてあげらんないけど、気を付けてね。」
二人の声に大きく頷くと、あいは助走を開始した。
「よいしょ!」
ドーナツの外側、一番手前に着地した後、ステージの中心へ慎重に移動する。
「あー、ここ思ったより狭い。私、ちっちゃくなっとくから、みんな頑張ってね。」
背筋をピンと伸ばし、できるだけ場所をとらないようにしたあいが言う。その姿は上から何かで吊られているようで、みんなの笑いを誘った。
『さぁ、いよいよ高橋さんが真ん中に立ちました。ここからは、触れないように気を付けながら跳ばなくてはなりません。』
次は翔くん。足場をしっかり確認し
「行くよ。」と走り出す。
「っしゃ!」
松潤の手を取り、しっかり足をつけた。
『さすがです! なんという安定感でしょう。しかし、この辺りから難しくなってくるはずです。』
枡さんの言うとおり、どんどん足の置き場が無くなっている。俺の時は大丈夫だろうか、という不安が頭を過ぎる。
4番手はニノだ。伸ばされた翔ちゃんの手を目がけて腕を伸ばす。
「触るな、触るな。あいに触るなよ。」
「うるせぇ。声だけ聞いたら、俺が変態みたいじゃないか。笑」
「でも、実際危なかったよ。私、手出しそうになったもん。」
「あい、じっとしてろよ。後ちょっとだから。」
余裕がなくなったきたのか、みんなが揺れる体を調節しながら話し出す。
『おー、二宮さんもクリアー。これが嵐の絆! 残るは大野さんただ一人です。』
「リーダー、ちょっと待ってね。今、扉開けるから。」
相葉ちゃんの言葉で、みんなが少しずつ近寄る。そしてさっきみたいに、俺が飛び込む隙間ができた。
その隙間の向こうには、心配そうな顔をしたあい。あー、俺、触っちゃうなと思った瞬間、ニノの声が飛んだ。
「リーダー、絶対あいに触るなよ。」
「そうそう、俺とニノに抱きついてきなよ。」
二人はそう言って俺に手を伸ばしてきた。ホントは心配そうなあいの腕に掴まって、大丈夫だよって言ってあげたかったけど、ルールだから仕方ない。
俺はフッと笑って、翔ちゃんとニノの間へ飛び込んだ。
右足が台に届き、二人の腕が背中に回される。と同時に枡さんのカウントが開始された。
『1、2、3、4、おっと、少し揺れているが大丈夫か。』
その声に体勢を立て直す。正面を向くとあいの顔があって、見つめ合う形になる。
『5、6、7、後少しで記録達成です!』
お互いの吐き出す息でさえ、頬に届く距離にいるあい。魔法が解けるまで後三秒。
『8、9、10! 嵐の皆さん、6人でもクリアー。さすがのパートナーシップを見せてくれました!!』
枡さんの声にお互い繋いでいた手を離し、台から降りるメンバー。俺はあいの目に縫い付けられてその場を動けない。
「お疲れ様。」
至近距離で笑うあいの手をとって、みんなのところへ向かう。
「あー、リーダーが手繋いでる!」
「もう終わったからいいんだろ。」
「ゲーム中も見つめあっちゃってさ。」
「バレてた?」
「えー、リーダー何してんのさ。俺ら必死で支えてんのに!」
「それは聞き捨てならない事態だな。」
『皆さん、落ち着いてください。パートナーの絆を確認したところじゃないですか。』
枡さんの言葉に、みんな笑い出す。自然と隣にいるメンバーと手を繋ぐ。
「いや、16年も一緒にいるとね、できるんですよ。」
「ここにこう来るなとか。」
「JUMPのみんなも、そのうちできるようになるから。」
「ね、リーダー?」
「うん。頑張れ。」
「ということで、俺たちが」
「「「「「「嵐でーす。」」」」」」
繋いだ手を高く上げると、スタジオから拍手が巻き起こる。たまにはこうして絆を確かめるのも悪くない。
手から伝わる温もりを、しみじみと感じたある一日。
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