意識しちゃってください
title by 確かに恋だった



「ねー、ねー、みんな。壁ドンってしたことある?」

 レギュラー番組前の楽屋でくつろいでいたとき、あいがみんなに声をかけた。

「突然どしたの?」
「いや、今度ね、ドラマで壁ドンされるんだけど、みんなって経験あるのかなと思って。」

「俺、CMでしたことがある。」
「あー、あの睫毛にキスするヤツ。」

「あの色気だだ漏れのやつね。」
「松潤にしかできないやつだ。」

 マスカラのCMで壁ドンを披露した松潤。女優さんとのいちゃいちゃぶりが目に毒で、テレビから流れてくると、挙動不審になってしまうくらいキワドイ。

「俺は嵐旅館でやった。」
「週末ヒロインの方にね。」

「みんなデレデレしてたヤツね。」
「いや、あれは見てる方もなんか恥ずかしかったよ。」

 相葉くんはその時のことを思い出したのか、ソファーにあったクッションを抱きかかえ、頭を埋めている。
 体から湯気が上がるような行動に、思わず声に出して笑ってしまう。

「笑ってるけど、翔ちゃんはどうなのさ。」
「俺は夜会で、二丁目の方に……。」

「見た見た! 俺、あれキュンとしたんだよ。」
「何でリーダーがキュンとすんだよ。笑」

「何か翔くんがめちゃ格好良くて、恥ずかしくなっちゃった。」
「分かる! 巻き戻しして何回も見たもん。笑」

 恥ずかしすぎる智くんとあいのやり取りに、相葉くんから奪ったクッションに顔を埋める。「人のこと笑うからだよ。笑」と言う相葉くんの声は聞こえないふりをした。

「ニノはどうなの?」
「俺、ニノさんでサバンナの高橋さんにした。笑」

「相手、男性じゃん。笑」
「でも、高橋さん、きゅんとしてたよ。」

「あれは、ドンもだけど、その後の台詞が格好良かった。」
「マジで? 俺も見たかったなぁ。」

 「だろ?」と言いながらウインクを飛ばすニノ。その姿が面白くて、智くんと顔を合わせて吹き出した。

「リーダーは?」
「ラジオでやった。」

「智くん、ラジオでって斬新すぎる。笑」
「もう、人が相手ですらないからね。笑」

「なんだ。俺以外、ちゃんとしたのはないんじゃん。笑」
「そっか。どんな感じなのかなぁ。」

 あいの言葉に、みんなの視線が集まる。そう言えば、コイツさっき聞き捨てならないこと言ってたな。

「あいは壁ドン初めてなんだ。」
「そうだよ。緊張する……。」

「じゃあ練習しとかないとね。」
「だな。」

 ニノと松潤のスイッチが入った。こうなると誰にも止められない。止めようとする気もないけど。
 あれよあれよという間に、あいは壁際に追いやられた。

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