例えば頭を撫でるときとか
title by Catch sight of



 宮城でのコンサートが終わったある日。みんなは打ち上げやマッサージなど、思い思いの時間を過ごしている。そんな中、俺は夜会のお仕事でホテルの部屋にいた。ディレクターさんと二人で、私物チェックをされたり、貝を食べたり、お酒をのんだりとまったり過ごす。ヨガポールでストレッチをしていた深夜一時。彼らが訪問してきた。

 ドンドンとドアを叩く音と、ピンポーンとインターホンを鳴らす音が入り混じる。ドアの向こうにいる二人を想像して、急いでドアへ向かった。
 ドアを開けると、迷彩柄のトレーナーに帽子の相葉くんと、迷彩柄のパンツに帽子のニノがいた。

「ちょっとおかしい」
「なにやってるの?」

 わざとらしく驚く相葉くんの後ろには、隠れきれていないあい。迷彩柄のストールを巻いて、これまた迷彩柄の帽子をかぶっている。おいおい。お前が来るなんて聞いてないぞ。色々言いたいことはある。でも、まずは一つ目。

「ちょっと待って。ちょっと待って。迷彩感スゴいな」

「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」

 とぼける三人に吹き出してしまう。そんな俺をよそに、ディレクターに握手を求めるニノ。持っていた荷物を置く相葉くん。きょろきょろと部屋を見回すあいとそれぞれの反応を見せる。

「グーテンモルゲン中?」

 相葉くんの一言に、ニノが爆笑する。ハワイの夜会で松潤が乱入したときの挨拶だ。ここで言うなんて、さすが相葉くんだなぁと思いながらつっこむ。

「夜会出るとき、グーテンモルゲンマストじゃないのよ」

 俺がそう言ってるのも関わらず、テンションの上がったあいが「グーテンモルゲン!」とハイタッチを求めてきた。コイツ酔ってるな。

「飲もうかなと思って持ってきた」

 相葉くんが缶ビールをみんなに配る。クーラーボックスの中にオレンジジュースを見つけ、缶ビールを受け取ろうとしたあいに手渡した。

「えー、私もビールがいい!」
「あい、そんなお酒強くないでしょ。そろそろこっちにしときなさい」

 そう、彼女はそんなにお酒が強くない。飲むのは好きだけど、普段は乾杯のビールと、酎ハイを2、3杯。お酒の席を楽しむという飲み方を好む。
 今日は入ってきたときから目の周りがほんのりと赤く、喋り方も少しだけ舌っ足らずになっている。ということは、ここに来るまでに彼女の適量を飲んでしまった筈だ。これ以上飲むのは良くない。何より、これ以上色気をテレビで出されたらたまんない。

「翔ちゃんが言うんだから、ジュースにしときな」
「ほら、オレンジジュース、あいの好きなヤツでしょ?」

 二人の後押しもあって、不満げながらあいはビールを諦めた。おそらくクーラーボックスにオレンジを入れたのもニノだろう。酔っていてもあいに関することはしっかりやる男だから。

「櫻井さんって、いつもこんな感じなんですか? 世話焼きというか」

 ディレクターさんから質問が飛んだ。

「あぁ、翔ちゃんは嵐のお母さんだからね」
「特にあいのお世話はよくしてるよ」

「お世話って、私子どもじゃないんだから。ちゃんと自分のことは自分でしてます!」

 唇を尖らすあいの頭をぽんぽんと撫でる。こんな可愛い酔っぱらい、早くカメラのないところへ行って欲しいんだけどな。

「ね? 溺愛してるでしょ?」

 ニノの言葉は聞かないふりしてソファーへ腰掛けた。

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