きっと、明日も笑顔で
title by Catch sight of
「あー、ドキドキするなぁ」
仲居さんの格好をして正座で襖の前に座ると、独り言が口をついて出た。今日はお正月特番である嵐旅館の収録だ。この番組では私たち嵐がゲストを全力でおもてなしすることになっている。問題なのは、そのゲストが誰か事前に知らされていないと言う点。それゆえ、事前に準備することができないまま収録に臨まなければならず、今、緊張が最高潮に達したというわけだ。
「よし、いこう」
だからといって、いつまでもゲストの方をお待たせするわけにはいかない。私は小さく息をはくと、襖に手をかけてすっと開いた。「ようこそいらっしゃいました」と頭を下げる。しばらくすると、我慢しきれないような笑い声が耳に届いた。心当たりのある笑い声にハッとして顔を上げると、誰よりも馴染みのある人達が座っている。
「バカッ! 笑うなよ」
「だって我慢できなかったんだもん」
と言いながら相葉くんの頭を叩くニノと、叩かれやすいように頭を傾ける相葉くん。
「あいのおもてなし、楽しみだなぁ」
ニヤニヤしながら挑発的な笑みを向ける潤くん。
「黙っててごめんね?」
「あい、お疲れ〜」
申し訳なさそうに両手を顔の前で合わせる翔くんに、へにゃりとした笑顔で笑う智くん。
「えー! 何なの、これ!?」
理解できない私の叫びを笑いながら聞く五人の顔を目の端でとらえて、私の思考回路がストップした。
「何でみんながゲストなの?」
みんなの前に正座した私は、何とか平静を取り戻して一番の疑問を口にした。すると、メンバーは顔を見合わせながら説明を始める。
「俺らだってさ、おもてなしされてみたいわけよ」
「そうそう。それならあいにしてもらいたいなぁって」
「打ち合わせの時にポロッと言ったら、プロデューサーさんが、それいいねって」
「五人の時に、マネージャーさんに打診されて」
「全員即決で、お願いします! って返事したの」
満面の笑顔を浮かべる五人を前にして、項垂れるしかない私。これまでの緊張とかどうしようっていう不安とかがない交ぜになって、溜息しか出てこない。
「……怒った?」
肩を竦めて、私の顔を覗き込む相葉くん。見回すとみんな似たような顔をしていた。こんなところまで似ているってどうなんだろうとおかしくなる。堪えきれずにクスッと笑いが零れた。
「びっくりしただけだから。そうと分かれば、最高のおもてなしをしちゃうよ?」
腕まくりしながら悪戯っぽく笑うと、みんなの顔が安心したように緩む。
「良かった。一安心」
「これで思う存分、楽しめるわ」
「どんなおもてなしをしてくれるのかなぁ」
「楽しみにしてるよ、あい?」
一斉に微笑みかけられて、私も頷き返す。ゲストの方を全力でおもてなしする。それが嵐旅館だ。
それでは、高橋の嵐旅館、スタートです!
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