音楽がかかり、新郎さんたちのパフォーマンスが始まった。
高ぶる鼓動を深呼吸で押し込めて、気持ちを落ち着かせる。
「あい。」
松潤の声に振り返ると、いつもからは考えられないくらい緊張したあいがいた。
膝下丈の落ち着いたピンク色のパーティードレスに身を包んだ彼女。
ひらひらとした裾が何重かになっていて、ターンすると映える。
いつも下ろしている髪は丁寧にまとめ上げられ、ピンクの薔薇が飾られている。
「緊張しちゃった?」
「うん。幸せな空間を壊さないようにって考えると……。」
小さな声でぽつりと呟いたのはきっとあいの本心だろう。
俯いたあいに相葉くんが近づき、顔を覗き込む。
「あい、俺らは幸せのお裾分けをもらいに行くんだよ。」
「お裾分け……。」
顔を上げたあいの肩にそっと手を置き、俺も励ましの言葉を唇にのせる。
「そうそう。素敵な空間に参加させてもらおうな。」
どうか触れた手から、安心してという気持ちが伝わりますように。
「行くよ。」
隣にいたニノがあいの手をギュッと握りしめる。
あいが顔を上げ、俺たちを見回す。今この場での不安は、ライトの当たる場では見せてはいけない。
だって俺たちはアイドルだから。
でも、ステージの裏での怖さや焦りは、みんなで支え合えばいいから。
俺たちは今までそうやってきたんだ。
さっきまで小さく震えていたあいの手は、落ち着きを取り戻し、祈るように胸の前で組まれた。
「新郎新婦さんにとって、最高の一日になりますように。」
唱えられた願いが自分のことじゃないところがあいらしくて笑ってしまう。
俺たちは視線を合わせ、小さく頷き合い、光の当たる場所へと歩き出した。
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